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はじめに 本ページに記載されていることはあくまで個人としての見解であり、1つの結論を仮定した時に、それを理由づけして導出するための位置付けで記載している。 最新の世界のエネルギー事情 昨年2011年は、日本も含めた全世界において、エネルギーに関する出来事の多い年であり、エネルギー市場では著しい混乱が生じた。 アラブの春 まず、世界の市場に衝撃を与えたのは「Arab Spring」であり、これにより原油価格が大きな影響を受けた。バレル単価が上昇し、リビアからの原油供給量は著しく減少する一方、その減少分はサウジアラビア、UAE、カタールによる記録的な増産によって補われた。 The Earthquake and Tsunami in Japan 3月に「3.11」「東日本大震災」が発生し、地震と津波が日本を襲った事は、日本人であれば記憶に新しい。この影響は日本だけでなく世界中に波及し、原子力発電が過去最大の減少量である-4.3%を記録した。原子力発電による発電量は、日本で-44%、ドイツでも-23%の現象を記録した。しかしながら、中国では16.9%増、インドやパキスタンでは40%近くの増、メキシコでは71.6%増といった国もあった。 エネルギー消費の傾向 また、長期的なエネルギー消費の傾向も明らかになってきた。全世界のエネルギー消費量は年間2.5%の増加を見せる中、OECD加盟の先進国では昨年1年間では0.8%減少した。一方、新興市場国では、中国の強い経済成長が影響し、5.3%増加となった。中国の2011年のエネルギー消費量は2010年に比べて71%増加しており、インドの13%、ロシアの6%、サウジアラビアおよびカナダの5%という増加量に対してずば抜けた数字となっている。これは、これまで世界最大の発電量を誇っていたアメリカの4,308TWhを、中国が4,700TWhで追い抜いたことからもうかがえる。 地球人口の増加が確実視される中、エネルギー消費の増加傾向は発展途上国を中心に止むことはないだろう。 エネルギーミックスの構造変化 エネルギーミックスについても、構造変化が著しい。石油は今も主要な燃料でありながら、エネルギー市場でのシェアは12年連続で減少している。一方、石炭の消費量は5.4%増加しており、全体の30.3%を占めているという数字は、統計史上で1969年以来の大きな値となっている。また、天然ガスの消費量も2.2%増加、現在はアメリカを最大の供給源とし、ロシアがその後を続く。なお、石油生産において、アメリカは1998年から2008年までの10年間減少傾向にあったが、2009年からオイルシェール開発の進展もあって盛り返してきており、2011年は1998年以来の高い数値を記録した。アメリカはOPEC非加盟国の中において3年連続で最大の伸び率を見せた。 再生可能エネルギーの増加 再生可能エネルギーの量は全体で17.7%増加。バイオ燃料生産は、ブラジルでのサトウキビ不作(昨年比15.3%減)の影響もあり0.7%増に留まったが、風力発電は25.8%増加し、太陽光発電は86.3%増加。再生可能エネルギーの市場シェアは記録的な増加傾向にありながらも、エネルギー全体のシェアからすると僅か2.1%となっている。2011年のCO2排出量が+3%と毎年連続で増え続ける中、2010年の増加量に比べて増加率が鈍ったのは、この再生可能エネルギーの発展も一役買ったと言えるだろう。 日本では3.11以降、太陽光発電パネルの価格低下が進み、家庭電力料金23円/kWhを下回る19円/kWhを達成できるパネルが発売されたとされる。風力のコストは12~20円/kWh程度となっており、経済産業省は、洋上風力のコストをこれに近づけるための技術開発努力を開始している。こうして日本でグリッドパリティが達成されると、民間を巻き込んだエネルギー生産源の転換が進み始めると考える。 日本における「脱原発」について 先述の通り、原子力発電に対する非難は日本国内だけではなく、「東日本大震災」の影響で全世界へ波及している。欧州ではスイスやオーストリア、ドイツ、イタリアが、3.11後すぐに原子力発電からの脱却、いわゆる脱原発を決定した。脱原発について今一番センシティブなのは日本でありながらも、この辺りの決断力は鈍い。ただ、正に原子炉が全て停止され、再稼働に向けては各地域で猛烈な反対活動が起こっているのは事実である。 まず、脱原発におけるメリット・デメリットは次のように挙げられる。 脱原発のメリット 脱原発のデメリット ・放射性物質の生産と蓄積がなくなる。・事故による犠牲者や放射能汚染、国土が半永久的に使えなくなる恐怖から開放される。・ある意味エネルギー資源・発電手段としての行き詰まりが見えている原子力関連の技術に対し、投資を避けられる。 ・直近の電力不足への対応が必要。・火力発電所の増設により、CO2排出量が増加。・火力燃料(石油、石炭、LNGガス等)を輸入に頼るため、自給自足の面で弱くなる。全世界での傾向が見られることから、燃料の高騰が予想される。・再生可能エネルギー導入の財源が、廃炉費用や放射性物質の廃棄コスト、更には一時しのぎとなる火力発電への転換コストに使われてしまう。・原発立地市町村の財政難が発生。・夜間の余剰発電がなくなり、揚水発電の役割が低下。導入済オール電化の家庭負担が上昇する。 脱原発におけるメリットは「国民の事故恐怖からの開放」が最大のポイントであり、これは発生した時の影響度が非常に高いながらも発生確率が低い。一方、デメリットについては、比較すればこそ小さいながらも、それなりに大きな影響度を持つ問題・課題が、ほぼ確定的な確率で多数列挙される。 次に、脱原発に対する政策の取り方について短期と中・長期に分けて考えると、次の4種類に分けられる。 政策 短期 中・長期 考慮すべき事項 政策案1 脱原発 ・この夏(目先)の電力消費をどうするのか?間接的被害者(熱中症、食中毒等)を出してしまうのではないか?・計画停電による経済負担を発生させて良いのか?・火力発電フル稼働によるCO2発生増加をどう見るか? 政策案2 現状維持 脱原発 ・主力となりうる代替電力の電力供給目処がつくまでのリスクをどう考えるか。その間は、火力発電所くらいしか新設するものがない。 政策案3 現状維持 ・国内世論への対応は免れられない。・再生可能エネルギー等における技術革新次第では、後に政策2への切り替えが可能となる。 政策案4 原発推進 ・世界的な非難を受ける可能性がある。・リスクを下げるような技術革新が前提となるが、原発技術についてはある程度先が見えてしまっているのが懸念。 これらから考えると、現在野田首相が提唱している原発再稼働は、博打的な要素は認められながらも、ある程度妥当な政策案に見える。2008年の福田ビジョンでは、「2030年までに電力の半分以上を再生可能エネルギーと原子力で」と発表された。これは3.11を知る前の状況であるから、今現在としてはこの「2030年」を最大限に早めることが国民からは求められるであろう。 新しいエネルギー技術 現在の主力エネルギー生産技術である火力(石油、石炭、天然ガス)、原子力、水力に取って代わる期待が高まるが、向こう10年で現実となるという話は少ない。ただし、有限である化石燃料に代表される枯渇性エネルギーに対し、事実上枯渇することのない再生可能エネルギーは、明らかに急ピッチで投資・開発されていくと想像できる。5年前にiPhoneが想像できなかったように、数年の単位で実現される可能性も秘めていると考える。 逆に、現在発電原料の主力となっている枯渇性エネルギーの埋蔵量を見ると、向こう10年程度ではある程度の答えを出さなくてはならないと考える。 送電技術 2004年頃から中国において、長距離・大容量の送電インフラである超高圧(UHV)送電技術が商業化され始めている。UHV送電を利用すると、現在5%と言われている送電ロス(電流の2乗に比例する)が劇的に減ることとなり、単純省エネの達成と、超長距離送電の実現も視野に入ってくる。 これにより「ゴビ砂漠に太陽光パネルを敷き詰めれば、全世界の電力を賄える」という話も、十分現実味を帯びてくると考える。 メタンハイドレート 日本も含む東アジア地帯では、日本近海の東部南海トラフだけで約1兆1400億立方メートルのメタンハイドレートが確認されており期待されているが、採掘技術等の発展も考えると、現実となるのはまだ先の話となるであろう。 レーザー核融合 つい先日、日本原子力研究開発機構は、核融合の持続に必要な材料生産に世界で初めて成功している。その「核」という文字を含んだ名前から無根拠に危険視されそうだが、既に核融合による発電自体も単発であれば成功しており、今後はそれを持続して発電することが課題となっている。学者たちの発表では、2030年頃に実用化の可能性も、と言われている。そこまで遠くない未来ながら、既に顕在化した課題を持ち続けるには賭けの要素が強く、期間的にも少々長すぎると考える。 日本の経済事情から見る投資資金の捻出 日本の経済事情が困窮していることは周知の事実であるが、エネルギー政策の転換をするためには、必ず大規模な投資が必要となる。この投資資金は、まず「現状の無駄」を利用するか、「当該政策の実現に際して不要となり余剰となるもの」を充てるのが現実的と見る。 日本は2大黒字である貿易黒字と経常所得黒字を、毎年国内で使うことができずに海外へ投資している。これに伴う日本の対外純資産は毎年20兆円以上増加の傾向を見せており、2009年には276兆円を超え、20年間も断トツで世界一となっている(財務省調べ「本邦対外資産負債残高」より)。こういった「紺屋の白袴」のような国内事情を疎かにした投資バランスを是正し、この大半を新エネルギーへの財源とするべきだと考える。(社会保険の問題ともバランスを取るべきだと考えるが、ここでは特に論じない。) また、日本が輸入している化石燃料の価格は、年間約25兆円となっている。このGDPの5%とも言える金額が、国内のエネルギーが再生可能エネルギー等で国産化される事で、徐々に大きな財源となっていくと考える。 日本が取るべきエネルギー政策 日本が取るべきエネルギー施策として、次の5点の政策を挙げる。 再生可能エネルギーへの大規模投資、産業化 枯渇性エネルギーの残存埋蔵量、CO2削減、原子力の事実上衰退、人口の爆発的増加等、様々な観点から、近い未来に有限な枯渇性エネルギーに頼ることはあり得ないこととなるのは明らかである。事実上無限を意味する再生可能エネルギーの主力化を進めなければ、近い子孫の死活問題になっていく。 再生可能エネルギーにも課題は多いが、これを打破して大量かつ安定なエネルギー供給を実現するための研究開発に大規模な投資を行い、これまで以上に急ピッチで実用化に向けた研究をするべきである。 また、この再生可能エネルギーの生産活動を産業化し、自動車産業に次ぐ新産業としてしまう勢いで進めるべきと考える。ソフトバンクを初めとする民間企業が進め出している再生可能エネルギーの開発に国として支援し、世界に誇る産業とできれば投資のリターンとしても希望が持てる。また、複数企業がこの産業に参画することで、現在の地方別電力会社のような事実上の独占状態を防ぎ、理不尽な料金値上げや政府との癒着も防止することができると考える。 省エネ・節電への投資継続 時代とともにどんどん増えていく家電や電子機器。昨今では、ベトナムの女子高生でもiPhoneを片手に街を歩くというような状況になっているという。発展途上国でも電気が引かれ、冷蔵庫やテレビ、照明を利用しだす話もよく聞く。 爆発的な人口の増加源でもある発展途上国のエネルギー消費が増え続ける事実を踏まえると、電気を消費する機器や、枯渇性エネルギーを消費する自動車等の機械の省エネ化は、継続して進めていくべきと考える。 ただし、無理な節電は余計な被害者を生む。極端な例、夏季の冷房禁止や冷蔵庫禁止をしたらどうなるか、冬期の暖房禁止などしてしまったらどうなるか、結果予想は簡単なことである。政策として消費を規制してはいけない。 また、いっそのこと枯渇性エネルギー使用ゼロを掲げても良いのではないかと思う。今回の脱原発の件でもわかるように、化石燃料は最新技術のリスクが顕在化した時の保険的な存在としておくべきだ。 電力固定価格買取制度(FIT)の導入 設備導入から10年程度の間は、発電設備購入時の価格に応じて、電力を投資利潤が出るレベルの価格で電力会社が買い取ることを法律で定める。これにより、国だけで試みて怯み遅れていた再生可能エネルギーの産業化や投資を、民間において継続維持することができると考える。 この制度は2001年にドイツで導入され、以後全世界40カ国で法律化されている。また、ドイツでは2009年に、自然エネルギー設備容量が原子力発電設備容量を越えたという。こういったことから見ても、日本が再生可能エネルギー産業において大変遅れている国だということが分かる。 (これを書いている期間中に実施されてしまった。) 数年単位未来での完全脱原発 あくまで近い将来、数年レベルの未来での前提に完全脱原発を置き、消極的現状維持とする。ピーク消費電力の見積から最低限の原発を稼働させ、その間に平行して脱原発を進めていく。脱原発のメリット・デメリットを加味し、再生可能エネルギーの開発進捗も判断要素に加え、代替エネルギーへの移行目標年数を数年レベル(10年未満)で設定するべきと考える。 そもそも国民の原発への不信は、科学技術の不信というよりは、巨大なシステムを制御する人間または官僚制に向けられた不信であり、科学技術がどんなに進歩しても簡単には拭えないであろう。よって、最終的には脱原発する方向での政策とする事は、民意から明らかにならざるを得ないはずである。 一方、3.11では重大かつ深刻な被害を起こしながらも、この事故発生率は非常に低く、脱原発によるデメリットが確定的かつ非常に重い。特に、脱枯渇性エネルギーという意味での再生可能エネルギー開発への投資が鈍る事は、日本の存続にさえ影響する確率が高いと考える。そういった状況を踏まえると、リスクをある程度見ながらも即時の脱原発は難しい。原発の維持を国民に認めさせるのも非常に難しいが、特に原発近隣に住んでいる人は、これまでその反対している原発の恩恵にあずかって得していた事を再認識するべきだと考える。しかしながらもちろん、普天間基地移設問題と同様に、現地の人とは色々な問題が出てくると予想される。 中国との再生可能エネルギー技術提携とエネルギー輸出 中国のエネルギー消費量は爆発的に増加しながら、その発電量も爆発的に増やしている。これもあってか、中国における再生可能エネルギーへの投資は、2010年に489億ドルという世界最大の額で進められている。そんな中に日本の投資額は僅か33億ドルとなっており出遅れを隠せない。したがって、中国における再生可能エネルギー生産の技術提供をしてもらい、日本での技術力を上げる事が非常に有用だと考える。 また、中国のエネルギー消費量の爆発的増加はまだ止まることがないことから、日本で生産した電力を輸出する事も目標にできる。このエネルギーの売却益は、日本にとって大きな財源となりうると考える。また、他の新興市場国に対しても積極的に再生可能エネルギー導入を支援し、地球全体における枯渇性エネルギーの浪費やCO2排出の増加を抑えるべきである。 なお、日本の隣接国とも言える中国や韓国では、原発が多数稼働されたままの状態である。この中国の原発で3.11のような事故が発生した場合、その中国から黄砂が飛んでくるような場所にある日本では、放射性物質による影響から逃れられないと考える。必ずしも地形が近いとは考えられないが、この福島のケーススタディを中国と共有して事故発生の確率を下げることも、優先度は低くしながら近々に検討していくべきと考える。 最後に 人口が増え、各地域の発展が進み、電気の利用機会が増えている中、エネルギー消費が増えるのは当たり前である。その中で出てきた原子力発電という技術。それを安易に主力化してきた政治家。その政治家を選んだ国民。つまり、意図的ではないにしろ結果的に、我々の親かその親の世代が作り上げた世の中は、過去に軽んじられた深刻なリスクと向き合いながらも子孫の幸せを生み出すという状況に我々を立たせてしまった。年金の問題もほとんど同じではあるが、少なくとも我々の世代は、自分の子供達にこういった理不尽な苦行を強いる事の無いようにしたいものである。
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判示事項の要旨: 足利市が設置していた小学校の廃止措置等について,特定の小学校において教育を受けさせる利益は法的に保護された権利あるいは法的地位ということはできず,条例による廃止措置は行政処分に当たらないとして,これらの措置等に関する取消請求を却下し(甲事件),併せて,これらの措置によって精神的被害を被ったとする慰謝料請求についてもこれを認めなかった(乙事件)事例 判決 主文 1 甲事件原告らの本件訴えをいずれも却下する。 2 乙事件原告らの請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は,甲事件及び乙事件とも,各事件原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件 (1) 被告足利市が平成12年12月22日付け公布に係る平成12年足利市条例第42号「足利市立学校の設置に関する条例の一部を改正する条例」の制定によってした足利市立A小学校の廃止処分を取り消す。 (2) 被告足利市議会が平成12年12月21日にした前項の条例を制定する議決を取り消す。 (3) 被告足利市長が平成12年12月22日にした第1項の条例の公布処分を取り消す。 (4) 被告足利市教育委員会が平成13年1月29日付けでした通学校指定処分を取り消す。 2 乙事件 乙事件被告は,乙事件原告ら各自に対し,それぞれ金1万5000円を支払え。 第2 事案の概要 本件は,被告足利市(以下「被告市」という。)が設置していた足利市立A小学校(以下「A小学校」という。)に通学する児童の保護者や同校の通学区域内の住民である甲事件原告らが,被告足利市議会(以下「被告市議会」という。)が平成12年足利市条例第42号「足利市立学校の設置に関する条例の一部を改正する条例」(以下「本件条例」という。)を制定する議決をし,被告足利市長(以下「被告市長」という。)が本件条例を公布し,もって被告市が本件条例を制定し,これを受けて被告足利市教育委員会(以下「被告教育委員会」という。)がA小学校の児童らに対し新たにB小学校を通学校に指定した(以下「本件指定」という。)ことについて,被告市議会による本件条例の議決,被告市長による本件条例の公布,被告市による本件条例の制定,被告教育委員会による本件指定(以下,これらの各処分を一括して「本件各処分」という。)が,いずれもA小学校の廃止の効力を生じさせるものであり,同校の廃止はA小学校に通学する児童の保護者がA小学校という特定の公の施設で教育を受けさせることができる権利に直接具体的な影響を与えるものであるから,被告らの各行為によるA小学校の廃止は,取消訴訟の対象となる行政処分に当たり,かつ,原告らの教育の自由等の権利を侵害する違法な行政処分であると主張して,被告市,被告市議会及び被告市長に対し,A小学校を廃止することとなる各処分の取消しを,被告教育委員会に対し,本件指定の取消しを,それぞれ求める(甲事件)とともに,A小学校の廃止処分及び本件指定によって,乙事件原告らが精神的苦痛を被ったとして乙事件被告(足利市)に対し,損害賠償を求めた(乙事件)事案である。 1 前提事実(争いのない事実及び証拠により容易に認められる事実) (1) 甲事件原告ら20名のうち,別紙甲事件原告目録1ないし10,12記載の原告らは,本件条例が制定された平成12年12月20日当時,A小学校に通う児童らの保護者であった者で,同目録2,6,7,9の原告らは,現在B小学校に通う児童の保護者である。その他の甲事件原告らは,本件条例制定当時,A小学校の通学区域の住民であった者である。 乙事件原告らのうち,別紙乙事件原告目録1ないし15,17ないし42の原告らは,平成13年1月29日のA小学校廃止当時,A小学校に通っていた児童らの保護者であった者で,同目録16の原告は,当時,足利市内に居住していたが,A小学校の通学区域に居住する住民ではなかった者である。 (2) 被告市は,「足利市立学校の設置に関する条例」(昭和39年足利市条例第58号)に基づき,栃木県足利市a町b番地にA小学校を設置していた。a町周辺は,足利市の旧来の市の中心地であり,現在c地区と呼ばれる地域の一つとなっている。 被告市議会は,平成12年12月21日,被告市が設置する小学校の一覧表からA小学校を削るという改正内容の本件条例を議決し,被告市長は,翌22日,本件条例を公布し,これらの措置により,平成13年3月31日をもってA小学校は廃止された。 被告教育委員会は,本件条例に基づき,平成13年1月29日,A小学校に1年生から5年生として通学していた児童の保護者(世帯主)に,C小学校,B小学校に通学を指定する本件指定を通知をし,B小学校に入学を指定する児童(新1年生)の保護者(世帯主)に就学通知書を送付した。 2 争点及び当事者の主張 (1) 本件各処分の行政処分性等について (甲事件原告らの主張) ア 被告市が本件条例の制定によってしたA小学校の廃止処分は,行政機関によってされたものであり,これによりA小学校に就学していた児童の保護者である原告らが,自らの児童らに同校における教育を受けさせることができなくなり,地域住民である原告らが,同校における社会教育や地域教育を受けることができなくなるという意味で,直接的に法律上の地位への具体的影響を与えるものであるから,公権力の行使に当たり行政処分性を有する。 被告市議会による本件条例制定の議決は,これによってA小学校の廃止が決定され,結果として原告らは上記のような影響を被るのであるから,外の具体的な行政処分を介さずに原告らの具体的権利義務に直接に影響を及ぼすものであるといえ,単なる一般的抽象的規範の定立にとどまらず,立法の形式を借りた処分である。 被告市長の本件条例の公布についても,条例は公布によってその効力を生ずるのであるから,被告市長による本件条例の公布は単なる付随処分ではなく,本件条例を執行させうるものとする公権力の行使であり,原告らの権利義務に直接に影響を与えるものといえ,同様に処分性を有する。 イ 被告教育委員会による通学校指定処分は,これによって,A小学校への就学児童等の保護者である原告らに,その保護する児童らに新たに指定された小学校に通学しなければならなくなるという義務を負わせ,地域住民である原告らに今までに異なる環境で教育をしなければならないという義務を負わせるものであるから,処分性を有するというべきである。また,本件指定は,本件条例を先行行為とする後行行為と位置づけられるのであり,本件条例自体に処分性がないとすれば,当然に争い得るし,本件条例に処分性が認められるとしても,先行行為である本件条例の瑕疵が承継されているから,処分性は認められる。 ウ A小学校への就学児童の保護者である原告らは,被告らの一連の処分によって,その保護する児童をA小学校に通学させることができなくなり,新たに指定されたB小学校に通学させなければならなくなっているのであるから,当然に原告適格を有するし,未就学児童の保護者である原告らも,特殊な場合を除いて小学校の利用関係の発生は確定的であるから,就学児童の保護者同様に原告適格は認められるというべきである。地域住民である原告らは,養子縁組などを想定すれば,未就学児童保護者と同様の法的利益を有しているし,たまたま処分がなされたときに保護者でないというだけで地域の継続的施設といえる小学校の存否を法律上争えないのは不合理である。また,社会教育を受ける権利や地域の子供たちに地域教育をする権利が独自の法的利益として存在するものであり,これらの権利を侵害されたものであるから,本件各処分に対する原告適格を有するというべきである。 エ 被告らは,A小学校廃止後も通学可能な範囲内の小学校で教育を受けることができることや,本件指定を取り消しても,A小学校は廃止されている以上,原告らの権利利益を回復させることはできないなどの理由から,原告らの訴えには訴えの利益がないとする。 しかし,通学が社会生活上困難であるかどうかは,本案における処分の適法性の問題であり,訴訟要件である訴えの利益の判断の対象とすべきでない。訴えの利益の判断は,従来の学校通学に伴う法的権利・利益に対して,変更が加えられたかどうかで決すべきである。また,A小学校が既に廃止されていることを理由とするのは,実質審理を回避するための形式論理であり,極めて不当な主張であって,事実上もA小学校が地域住民によって維持されており,被告教育委員会がすべき環境整備さえ行われれば現状回復は可能である。 (甲事件被告らの主張) ア 被告市による本件条例の制定は,選挙によって選ばれた住民の代表者である議員によって構成される議会の議決によって制定される一般抽象的な法の定立行為であって,行政事件訴訟法第3条第2項に規定する抗告訴訟の対象たるべき行政庁の処分その他の公権力の行使に当たる行為に該当しない。 条例の形式を採っている場合であっても,外に行政庁の具体的処分を待つまでもなく当該条例そのものによってその適用を受ける特定個人の具体的な権利義務や法的地位に直接影響を及ぼすような場合には,条例の制定行為自体をもって,抗告訴訟の対象となる行政処分と解する余地があるとの前提に立つとしても,一般に国民がその養育する児童について法定年限の普通教育を受けさせる権利ないし法的利益を有するとはいえても,具体的に特定の小学校で教育を受けさせる権利ないし法的利益を有するものではないから,従前通学していた小学校が廃止され新たに設置された小学校を就学校として指定されたとして,当該小学校が社会生活上通学することができる範囲内にある限り,当該小学校の廃止及び新設に係る条例は一般的規範にほかならず,抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。 そして,原告らの保護する児童らがA小学校廃止後に就学校として指定を受けたB小学校は,通学距離や通学路の安全等の観点から見ても,当該児童らが社会生活上通学することができる範囲内にあり,また,B小学校の学校施設が義務教育を実施する施設として適切でないという事情も全くないから,原告らの保護する児童らが教育を受ける権利を実質的に享受することができない状態に置かれたものとはいえず,したがって,本件条例の制定は,抗告訴訟の対象となる処分には該当しない。 イ 本件条例の制定に関する被告市議会の議決や被告市長の本件条例の公布は,本件条例の制定が抗告訴訟の対象となるべき行政庁の処分と解する余地がないのであるから,これを議決した行為及び公布した行為も当然,抗告訴訟の対象となるべき行政庁の処分に該当しない。 ウ 被告教育委員会による本件指定についても,A小学校が廃止された後も社会生活上通学可能な範囲内に設置されたB小学校又はC小学校において教育を受けることができ,これにより教育を受ける権利ないし利益は従前と変わりなく保障されているから,本件条例の実施に伴って被告教育委員会が行った本件指定は,それによって原告らの権利ないし法律上保護された利益に影響を与えるものではないから,当然に抗告訴訟の対象となる行政処分に該当しないというべきである。 仮に,被告教育委員会の上記措置が抗告訴訟の対象となるものであるとしても,処分取消の訴えは,取消判決によって当該処分の法的効果を失わしめ,処分の法的効果として生じた原告らの権利利益に対する侵害状態を解消し,その権利保護の回復を図ることを目的とするものであるから,当該処分を取り消しても原告らの権利利益を回復させる可能性がないときには,もはやその取消しを求める訴えはその利益を欠くというべきである。 そして,本件においては,仮に本件指定が取り消されたとしても,本件条例が平成13年4月1日施行されたことにより既にA小学校が廃止されている以上,指定以前の状態を回復することが不可能であることは明らかであるから,原告らとしてその侵害された状態を回復し得る余地はないのであって,本件指定の取消しを求める訴えは,訴えの利益を欠くものとして却下を免れない。 なお,原告らのうち,保護する児童がその後小学校を卒業し,中学校に入学した者らについては,いずれにせよ訴えの利益を欠く。 エ さらに,原告らが主張するような学校の規模,児童数をどの程度に維持すべきか,統廃合が必要となった場合の学校施設をどこに決定すべきかなどという事項は,現行法上法定の手続に従い,地方自治体である被告市が,被告市長,被告教育委員会,被告市議会の関与の下に決定すべきものであって,その具体的決定の当否についての不服は,法律を適用して当事者の主張の適否を判断することができない事項というべきである。この観点からは,原告らの本件訴えは法律上の争訟にも該当しないものとも考えられ,却下を免れない。 原告らのうち地域住民として甲事件を提起している者は,地域住民の社会教育を受ける権利,地域教育を受ける権利等が存在することを前提に抗告訴訟の適法性の存在を主張するが,地域住民らに特定の小学校においてその主張するような教育を受ける利益が法律上の権利ないし法的利益として保障されているものではないことは明らかであるから,本件条例等がそれらの者に対する処分に該当することはあり得ない。 (2) 本件各処分の実質的違法性について (甲事件及び乙事件原告らの主張) ア 児童らには,憲法26条1項の教育を受ける権利の一内容として学習権が認められ,児童らの学習権を満たすべく,保護者である原告らには教育の自由が認められており,この教育権の一内容として,公権力に適切な教育環境を提供することを要求することが認められる。教育基本法10条1項が行政に教育目的遂行のための諸条件の整備を要求し,学校教育法29条が市町村が児童を就学させるに必要な小学校の設置を規定しているのは,行政に教育環境整備義務があることの証左である。そして,この教育環境整備義務は,上記の学習権や教育の自由を充足させるためのものであるから,行政は,児童らが人間的に発達成長していくのに十分な教育環境・設備を備えた小学校を整備しなければならず,いったん与えられた児童の発達・成長にふさわしい教育環境を理由なく奪われることは許されないから,これを理由なく変更することは学習権の侵害となる。 また,地域住民には独自の権利として,社会教育を受ける権利があるが,教育基本法,社会教育法,スポーツ振興法等において,社会において行われる教育の奨励,環境醸成がうたわれ,学校施設等の利用や各種講座実施のための経費負担等が定められているとおりである。 国民が社会教育に参加する要求は増大しており,そのための人的・物的設備としての学校の重要性も増しているのであって,社会教育の場でもある学校を廃止することはその機会を地域住民から奪うことになり,社会教育を受ける権利を侵害することになるのであり,A小学校とその地域住民の場合も同様である。また,昨今の教育改革では,子供の教育に関し,地域住民とのふれあいの機会や地域による教育が重要視されているのであり,地域住民にも保護者同様に教育をする自由が認められる。 イ A小学校の廃止及び本件指定によって,原告らは教育環境を変更されるのであって,教育に関する行政は,教育条件向上のために行わなければならないから,教育条件がすべての者にとって悪化する場合には,行政による裁量の濫用ないし逸脱に当たり,違法である。従前文部省によっても,学校統合に当たっては地域住民との紛争や通学上著しい困難を招くことを避けるべき旨述べた上,「小規模校として存置し充実することの方が好ましい場合もあることに留意すること」,「通学距離及び通学時間等を十分に検討し,無理のないように配慮すること」,「学校の持つ地域的意義等をも考えて,十分に地域住民の理解と協力を得て行うように努めること」等を指示した通達が発されているのであり(甲13,昭和48年9月27日通達),学校統廃合に当たって裁量の濫用ないし逸脱を審査する基準になるというべきである。 ウ これをA小学校とB小学校についてみるに,A小学校の方が児童一人当たりの校地面積,校舎面積で上回る上,B小学校は,窓の開閉ができず風通しが悪い,天井から雨漏りがする等大規模な改修を要する古い校舎であり,施設として明らかに教育環境が悪化しているといえる。また,A小学校の児童にとって通学距離は従前最大で約1.5キロメートルであったのに,B小学校へは,直線距離で約2.11キロメートル,通学距離は最大で約3キロメートル弱となるのであって明らかに伸長している上,D病院前交差点等交通上危険な場所も見られ,通学路に指定された歩道は狭く,用水路沿いであることから転落等の危険もある。これら通学路の構造上の危険は交通指導員の配置では解決しないし,下校時には何らの配慮もなされていない。これらによればA小学校に通っていた児童らにとって通学環境は明らかに悪化した。さらに,従前A小学校区域内では,地域住民が子供たちの教育について保護者とともに学び,地域教育の重要性を認識し,地域住民,学校関係者,保護者,児童らそれぞれが顔の見える関係を築こうとし,老人会との交流給食会や,地域住民参加の運動会など,様々な交流をなして地域教育としての成果を挙げていたところ,B小学校になってこのような試みは途絶し,B小学校からは旧A小学校区域の住民に対して交流を打診するような連絡がこないなど,学校を通じての地域教育が困難な状況となっている。 エ 以上のように,様々な観点で見ても,児童らや地域住民に対する教育環境がA小学校の廃校とB小学校への通学校指定により悪化したことは明らかである。また,そもそも教育学的見地から見ても大規模校よりも小規模校の方がより教育効果が上がるといえ,児童らの教育条件を悪化させてまで財政削減を図らねばならないような事情は示されておらず,その必要性もない。よって,被告らの本件各処分は,不合理で,裁量権の濫用ないし逸脱に当たり,違法である。 (甲事件被告ら及び乙事件被告の主張) ア 地方公共団体の議会の条例制定権は,憲法によって国民に保障されている地方自治制度の必要不可欠の要素であり,住民は,その代表者である議員によって構成される議会を通じて,どのように自治を行うかについて決定することができるのであり,このような地方自治の本旨に基づけば,議会は,憲法及び法律に違反しない限り,その事務に関する事項について,制約のない極めて広範な範囲で,条例を制定することができると解すべきである。このように,条例制定権が憲法によって保障された地方自治制度の根幹をなすものであることを前提とすれば,条例に対する司法審査は,当該条例が明らかに憲法ないし法律に違反するものでない限り,無効ないし取り消すべきものと評価されるべきではない。 イ そして,c地区の市立小学校の再編成を内容とする本件条例は,足利市の中心市街地を区域とするc地区での児童の著しい減少(昭和30年には8350人であった児童数が,平成12年度には5分の1以下の約18.29パーセントに当たる1527人,平成11年度は1628人)を背景に,今後の社会における望ましい教育環境の構築のため,協調性や社会性のかん養のための外の児童集団との交流,地域コミュニティとの有機的連携等子供の生活圏や発達段階,通学環境を考慮した多様な観点から通学区域再編成を実施したものであり,学校規模については,おおむね同学年で2学級から3学級まで,全体で12から18学級まで,通学距離については4キロメートル以内が小学校としては適正であるとの認識にしたがって再編成を行ったもので,新設したB小学校についても,地区割りの中で偏らない位置にあり,かつ新設校として敷地面積,建物面積,設備などでできる限り広く,整った学校施設を使用するとの前提で選考した結果,E小学校,A小学校,F小学校の通学区域の中でほぼ中央にあり,施設の敷地面積,建物面積,設備などの規模も大きいE小学校を使用施設に選定したものである。また,新設小学校に既存の施設を利用する場合でも吸収合併ではなく,校名,校歌を刷新する等の配慮をするとの前提に,市民公募で選定した「B小学校」との校名や新校歌を定めるなどしている。 ウ 義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令3条によれば,同法3条1項4号の適正な規模の条件として通学距離が小学校にあってはおおむね4キロメートル以内であることとされており,B小学校の児童の通学距離は最長でも約2.3キロメートルを超えることはなく,c地区を除く市内の小学校では2校を除くほぼすべての学校において徒歩での最長通学距離はB小学校より長いことに照らしても,B小学校に通学を指定された児童に,社会通念に照らして通学距離が遠すぎて通学ができないと評価されるべき児童は存在しないというべきである。また,B小学校への通学路において,特に交通上危険と評価されるような地点は存しない。原告らが指摘するD病院前の交差点も,信号機及び横断歩道が整備され,歩道も拡幅されて通行しやすくなっており,県道と歩道は段差によって明確に区分され,運転手の視界が悪くなることもない。さらに,児童の登下校時には交通指導員も立哨しており,原告ら主張のような危険はない。 また,B小学校において実施されている教育が,旧A小学校においてされていた教育と比較して劣っており,義務教育を受ける権利が保障されていないなどという事実はない。かえって,通学区域の再編成によって,子供の学習活動やその成長過程においてかかわることが望ましい適切な規模の集団や人数の中で教育を行うことが実現できるのであり,原告らが主張するように,A小学校の児童らがB小学校に通学することが困難であるといった事情は認められない。さらに,本件条例によって校舎の新増築は全く予定されておらず,B小学校で実施している改修は,経年による老朽化や教育内容変化に伴う一般的改修や,新耐震設計法の基準に適合するよう耐震性を向上させるための事業であって,築後一定年数が経過した建物であれば当然行われる工事にすぎず,B小学校特有の問題から工事を実施するわけではない。 エ よって,本件条例の制定,公布,これらを受けての通学校指定はいずれも相当かつ適法なものであり,憲法ないし法律に違反するものではない。 (3) 本件各処分の手続的違法性について (甲事件及び乙事件原告らの主張) ア 条例制定に当たっては,被告市議会は,立法事実等について必要な調査をすべき義務を負い,本件条例については,A小学校廃校による教育上の効果はもちろんのこと,地域の実情の調査も必要であるところ,原告らは議員らに対して本件条例制定前に懇談の機会を申し入れたのに何らの反応はなく,議員個人らで必要な調査をした形跡がうかがわれず,地域の実情を知らないままに本件条例の議決がされたのであって,被告市議会による本件議決には瑕疵がある。 イ 本件条例はその制定までに,昭和60年11月のPTA連合会による要望から始まり,平成3年10月から平成7年2月まで足利市小中学校通学区域検討委員会(以下「検討委員会」という。),同年9月から平成10年4月までc地区新学区編成委員会(以下「編成委員会」という。)による検討を経て,平成10年7月1日に被告教育委員会において「c地区7小学校通学区域再編成基本方針」が決定されるとの過程を経ている。 しかし,検討委員会の中で設置されたc地区専門部会では,教育委員会担当者が小規模校のデメリットを強調するのみで,委員独自の調査はなく,委員会でも十分な議論がされていなかった。また,編成委員会では,学区再編成について市民の意見を聴取することを目的とされていたのであるから,本来であれば,再編成の可否,児童らにとって必要な教育環境といった教育論が議論されるべきところ,再編成案についてしばらく市民の代表に公表されないまま進められた上,統廃合を前提とした区割り論や,校名,校歌,跡地利用などの話合いしかされなかった。区割りについても,校舎面積や校庭面積,地図といった客観的な数字だけを基準とし,児童らの通学問題や地域住民との関係,教育環境といった具体的事情についても検討はおろそかにされた。 これらの不十分な調査・検討に基づいて,また議事過程について何らの資料が作成されずに,編成委員会で策定された答申を基に被告教育委員会が基本方針を作成したのであり,これら不十分な議論の結果作成された検討委員会,編成委員会の答申等を基にして作成された被告教育委員会の資料のみしか参照せずに,被告市議会の議員らは本件条例の議決に至ったものであり,やはり瑕疵があるというほかない。 ウ また,原告らが被告市長に対して陳情を,教育長に対して要望書を提出するなどしており,慎重な検討を行うとの趣旨の回答がされていたのに,これに配慮することなく本件条例制定に至った点でも不当である。 さらに,B小学校に対して耐震工事等大規模な改修工事が必要なことは上記の本件条例制定の過程で明らかにされておらず,全く議論がされていないのであって,新たな財源を必要とすることはない旨の説明に反しており,保護者・地域住民に対する説明義務違反・調査義務違反があり,このような検討事項を看過してされた答申に瑕疵があることは明白である。 エ 以上のように,地方自治に関する事項は住民の意思を尊重してされなければならないところ,教育に関する意思決定も例外ではなく,A小学校の廃止についても,地域住民や児童の保護者らである原告に直接又は間接に関与する機会を与えねばならないところ,被告市議会による本件条例議決の前提である,住民に対する十分な資料の提供や住民の意思を聞く機会も付与されておらず,住民が意思決定に関与する機会はあったとはいい難い。よって本件各処分の手続は憲法92条に違反し違憲である。 また,d町については,本件各処分によって通学校がC小学校に指定されたが,同町は以前にC小学校に通学校指定されていたものをA小学校に変更し,更に本件各処分により再度C小学校が指定されたものであって,このような一部地域の通学校指定の頻回な変更は憲法14条違反であり違憲である。 (甲事件被告ら及び乙事件被告の主張) ア A小学校の通学区域の再編成は,昭和60年11月に,足利市PTA連合会から小学校の児童数のバランスを採るよう求める要望書の提出が発端となって開始され,被告教育委員会において,平成3年10月に検討委員会を設置し,検討委員会を平成4年1月から平成7年2月まで延べ15回にわたって開催し,地区ごとの諸問題の調整と意見の集約を行った結果,検討委員会が,被告教育委員会委員長に対して,「足利市立小中学校通学区域再編成検討結果について(答申)」を提出した。 これを受けて,被告教育委員会は,平成7年8月9日,足利市立小中学校通学区域再編成大綱(以下「大綱」という。)を決定し,これに基づいて各地区で通学区域再編成の具体案を調整する組織が設置されることとなり,c地区でも,平成7年9月29日,編成委員会が設置され,7小学校を4校に再編成する計画作りと地域の調整を行い,平成8年3月25日に編成委員会案として「c地区再編成基本案」を作成し,新しい通学区域と使用する施設を示して,同年6月から各校のPTAや地域に説明するとともに,各地区の保護者や地区住民への説明会で意見を聞きながら,具体的に200回以上の意見調整を行った。その結果,現在のB小学校として新設された通学地域は,E小学校の全域,A小学校の大部分,F小学校の大部分からなり,E小学校が使用施設に決まった。 これに対して,A小学校の児童保護者関係者らから,平成9年1月25日,編成委員会に対して要望書が提出され,新設される区域の使用施設としてE小学校ではなくA小学校を使用し,学区再編成では小学校のみならず中学校も含めた再編成をされたい旨意見が表明され,同年5月30日に,同関係者らから,被告教育委員会教育長,被告市議会議長に対して提出された要望書でも反対の意向が示された。 編成委員会は,平成10年4月9日,被告教育委員会教育長に対して,平成11年度をもってc地区の7小学校をすべて廃止とし,平成12年度に新たに4校を新設することを内容とする再編成案の答申書を提出した。これを受けて,被告教育委員会は,平成10年7月1日,この答申を検討した結果,「c地区7小学校通学区域再編成基本方針」を決定し,同月29日に被告市議会全員協議会に報告した。 被告教育委員会は,同基本方針に基づき,平成10年9月から同年11月にかけて,A小学校を除くc地区の各校PTA,地区住民に説明会を開いたが,A小学校については反対が強く,説明会を開くことができない状況であった。そこで,説明会開催に向けて懇談会を開くなど働きかけに努めた結果,平成11年6月29日,A小学校PTA実行委員会に対して初めて同基本方針の説明を行い,同年7月14日,A小学校保護者総会で説明を実施したが,翌15日,A小学校のPTAから被告教育委員会教育長に対して再編成案に反対する要望が提出された。 このような状況の中,被告教育委員会は,平成11年8月17日,平成11年度末でのA小学校の廃止を見送り,平成12年度当初では,c地区7小学校のうち6校を4校に再編成することを決定し,同年9月8日,被告市議会全員協議会に報告した。 イ 被告市議会は,平成12年1月20日,議員総会を経て,第1回市議会臨時会を開き,c地区通学区域再編成に伴い,A小学校を除くc地区6校を4校に再編成し,その施行日を平成12年4月1日とする「足利市立学校の設置に関する条例」の改正を議決した。この条例改正に際し,被告市議会では,「足利市立学校の設置に関する条例の改正に対する附帯決議」を行い,この決議で,c地区について,当初の基本方針の下,A小学校を平成13年3月31日までに廃止すること,決議の趣旨を踏まえて被告市及び被告教育委員会は最大限の努力をするよう求められた。 その後,平成12年2月から同年6月まで,5回にわたって通学区域再編成に関する教育と地域のかかわりについてA小学校教育懇談会を開催した。また,同年7月には,A小学校地区全11町内を5会場に分けて,全住民を対象とするA小学校地区町内懇談会を実施した。しかし,A小学校地区の未来を考える協議会が被告市長に意見書を提出するなどして,再編成事業に反対であることを表明した。 被告教育委員会は,同年9月28日,臨時教育委員会を開催し,A小学校地区の意見を整理し検討した結果,大綱及び基本方針の趣旨を踏まえて,通学区域再編成の意義に沿って進めていくことを改めて確認し,同年11月16日の定例教育委員会において,平成13年4月1日を施行日とする「市立学校の設置に関する条例の改正について」を議案とし,A小学校を廃止することを決め,被告教育委員会の意見として被告市長に送付した。 被告市議会は,同年12月21日の市議会定例会において,施行日を平成13年4月1日とする本件条例の改正を議決した。これにより,被告市は,平成13年3月31日をもってA小学校を廃止することとした。 ウ 本件条例制定によって,e町を除いて旧A小学校の通学区域はすべてB小学校の通学区域となるところ,e町の一部(d町)については,児童の友達関係や学校行事等での保護者の結びつきなどを考慮し,経過措置としてB小学校を就学校として選択することができる通学区域の弾力的運用を行うこととした。 エ 以上のとおりの経緯で本件条例の制定に至っているのであって,本件条例の制定は,教育行政上の必要に応じ,地域の意見を基にして,被告教育委員会が作成した計画に基づき,相当な手続により被告市議会により議決されたものである。また,その実施に当たっては,A小学校地区児童保護者関係者らに対しても,説明会を開催したり,A小学校については廃止を先送りにした上で懇談会を開くなどして,十分な説明を実施し,その理解を得るための措置を採っているのであって,不当,違法は一切存在しない。 原告らは,本件条例制定について被告市議会の議員らが何ら必要な調査をした形跡がないなどというが,被告市議会からは,2名の議員が議会の代表として足利市立小中学校通学区域再編成推進委員会の委員に就任し,その意思形成にかかわっているほか,平成3年以来,本件条例案議決に至るまで,度重なる常任委員協議会その他の会議及び懇談で慎重な調査,議論を行っているのであり,本件議決に何ら瑕疵はない。 (4) 損害の有無 (乙事件原告らの主張) 本件各処分により,保護者である原告らは,通学路の環境悪化により,事故等が懸念される危険箇所を通行しなければならなくなったり,交通頻繁な地域を通学することによってせきやのどの痛み,アトピー性皮膚炎等排気ガスによる健康への悪影響が生じ始める,夏期の通学では熱中症や脱水症状を起こす児童が増加する,通学路で保護児童が転倒したり,用水路に転落する,筋力の弱い児童が自力で通学できなくなる等の不安・苦痛を受けた。また,教育環境の悪化により,児童らが,夏期の授業により体調を崩す,悪臭によりトイレが利用できない,教員との信頼関係が失われ,円形脱毛症や不登校気味になる等の事態が生じ,それぞれ精神的苦痛を被った。 処分当時未就学児童であった児童の保護者らも同様の被害を被っている。 地域住民である原告らは,地域教育への参加の機会や児童らとの交流の機会を奪われ,廃校に至る過程でも教育委員会等から十分な説明を受けることができず,これらにより精神的苦痛を受けた。 (乙事件被告の主張) 争う。 上記2(2)の甲事件被告ら及び乙事件被告の主張ウで述べたとおり,通学路の安全は確保されており,原告らが主張するような損害の事実は認められない。本件条例制定等の手続についても,上記2(3)の甲事件被告ら及び乙事件被告の主張で述べたとおり,不当,違法な点は一切ないから,原告ら主張の損害は発生しない。 第3 当裁判所の判断 1 上記前提事実及び証拠(甲1ないし3,4の1,2,甲5,6,8ないし10,12,乙1ないし13,20,原告G)並びに弁論の全趣旨を総合すると,以下の各事実が認められる。 (1) 足利市では,平成12年度において,c地区をはじめとする16地区に23校と1分校の市立小学校が設置され,このうちc地区には,平成12年3月末まで,A小学校の外,E小学校,F小学校,H小学校,I小学校,J小学校,K小学校の7校の小学校が設置されていた。 全国的な少子化傾向は足利市においても例外ではなく,都市のドーナツ化現象により地域間の偏在等から,特に中心市街地を区域とするc地区では児童数の減少が顕著であった。c地区では,児童数が,昭和30年には8350名であったものが,平成11年度には1628人,平成12年度には1527名と減少し,また,地域間に児童数の偏在が生じ,平成11年度では,A小学校が219人,E小学校が309人,F小学校が84人,H小学校が119人,I小学校が339人,J小学校が229人,K小学校が329人であり,中でも小規模化が進んだF小学校では,2年生と6年生が11人ずつしかおらず,特に市街地において児童数の減少が著しい状況であった(乙13)。 (2) このような状況を背景に,昭和60年11月に足利市PTA連合会から小学校の児童数の学校差が大きいので,バランスを採ることを考慮していただきたい旨の要望書の提出が発端となり,被告教育委員会は,平成3年10月に校長会,PTA,自治会,被告市議会及び教育団体代表者等で構成する検討委員会を設置し,足利市c地区の通学区域の再編成について,同委員会に諮問した。 検討委員会は,平成4年1月から平成7年2月まで延べ15回にわたって開催され,平成5年3月にまでまとめられた中間答申において示された「学校の適正規模は,小中学校ともおおむね12から18学級とする。通学距離はおおむね小学校4キロメートル,中学校6キロメートル以内とする。分校及び複式学級は廃止する。通学区域は現通学区域を原則として尊重する。児童・生徒の地域活動を考慮し,同一町内(自治会)は同一学区を原則とする。」旨の基本方針を踏まえ,足利市内5地区で住民により構成する地区専門部会を設置して地区ごとの諸問題の調整を行い,各部会は,4回から7回の協議を経てそれぞれの地区の意見を検討委員会に提出し,検討委員会は,この意見を調整して,被告教育委員会委員長に対して,「足利市立小中学校通学区域再編成検討結果について(答申)」を提出した(甲5,乙5)。 (3) 被告教育委員会は,平成7年8月9日の定例の会議で,検討委員会の答申を受けて,その趣旨を尊重した大綱(甲6,乙6)を決定し,平成8年度から平成12年度までの5年間で学校規模や地域の再編成を行うこととし,c地区については現存する7校を4校にするとの再編成計画が示された。 この大綱を受けて,各地区で通学区域再編成の具体案を調整する組織が設置され,c地区でも,平成7年9月29日,c地区の小中学校校長,地区PTA代表,地区自治会長連合会代表及び地区育成会代表,地区学識経験者等で構成する編成委員会が設置され,7小学校を4校に再編成する計画作りと,地域の調整を行った。 編成委員会は,平成8年3月25日,第3回の全体会で「c地区再編成基本案」を作成し(乙8,13),新しい通学区域と使用する施設を示して,同年6月以降順次各校のPTAや地域にこの基本案を説明する地区説明会等を開催するなどし,全体会,各部会,先進地視察,諸会議,各小学校PTAへの説明会,幼稚園等説明会,各小学校地区別説明会等,200回以上の説明会や検討会を持って意見調整を行った(乙8)。編成委員会は,児童の居住分布や隣接校の学校規模及び登下校に要する時間,通学距離などを基本として,新たに設置する4校の地区割りを上記再編成基本案に明記し,各地区の保護者や地区住民への説明会で意見を聞きながら,手直し調整を行った。これと並行して,使用する施設の検討も行い,c地区の市街地における現実的な解決策として,地区割りの中で偏らない位置にあり,かつ新設校として敷地面積,建物面積,設備などできる限り広く,整った学校施設を使用するという前提で選考することを決めた。その結果,B小学校として新設された通学地域は,E小学校,A小学校の大部分,F小学校の大部分からなり,3校区域の中でほぼ中央にあり,施設の敷地面積,建物面積,設備などの規模も大きいE小学校が使用施設に決まった(乙13)。 (4) これに対して,A小学校のPTAから,平成9年1月25日に編成委員会に対して「学区編成に関する要望書」(乙7)が提出され,B小学校として新設される区域の使用施設としてE小学校ではなくA小学校を使用し,学区再編成では小学校のみならず中学校も含めた再編成をされたい旨の要望書が提出された。その後,同年5月30日にも,A小学校PTA関係者等から,被告教育委員会教育長,被告市議会議長に対して提出された,「c地区新学区編成の委員会決定案に対して」と題する要望でも反対の意向が示された。 (5) 編成委員会は,平成10年4月9日,被告教育委員会教育長に対して,「c地区小学校の再編成について(答申)」(甲8,乙8)を提出し,平成11年度をもってc地区の7小学校をすべて廃止し,平成12年度に新たに4校を新設することを基礎とする再編成案を答申した。 被告教育委員会は,平成10年7月1日,臨時の会議を開催して編成委員会の上記答申を検討し,被告教育委員会の方針として上記編成委員会とほぼ同様の骨子の基本方針(甲9,乙9)を決定し,平成12年度を目途に上記答申同様の再編成を実施することとし,同月29日に被告市議会全員協議会に被告教育委員会の方針として報告した。 被告教育委員会は,基本方針に基づき,平成10年9月から同年11月にかけて,A小学校を除くc地区の各校PTA,地区住民に説明会を開いたが,A小学校については反対が強く,説明会を開くことができない状況であった(乙13)。そこで,説明会開催に向けて懇談会を開くなど働きかけに努めた結果,平成11年6月29日,A小学校PTA実行委員会に対して初めて基本方針の説明を行い,同年7月14日,A小学校保護者総会で説明を実施したが,翌15日,A小学校PTA会長から,被告教育委員会教育長に対して,「c地区7小学校通学区域再編成について(要望)」(乙10)が提出され,話合いの結果結論を出すことができるまでA小学校を存続させること等の要望が出された。 (6) このような状況の中,被告教育委員会は,平成11年8月17日,平成11年度末でのA小学校の廃止を見送り,平成12年度当初では,c地区7小学校のうち6校を4校に再編成することを決定し,同年9月8日,被告市議会全員協議会に報告した。 なお,大綱及び基本方針にしたがって,既存の施設を利用する場合でも吸収合併ではなく,校名,校歌を刷新する等の配慮をすることを前提に,平成11年7月27日,c地区新校名募集選考等委員会を組織して校名案を市民に公募し,同委員会での絞り込みの結果,同年10月20日に新校名案であるB小学校を被告教育委員会教育長に対し答申するなどの手続がなされた。 被告市議会は,被告教育委員会の報告を受け,被告市長から被告市議会に上程された議案について,平成12年1月20日,議員総会(甲10)を経て,第1回市議会臨時会を開き(甲12),c地区通学区域再編成に伴い,A小学校を除くc地区6校を4校に再編成し,その施行日を平成12年4月1日とする「足利市立学校の設置に関する条例」の改正を議決した。この条例改正に際し,被告市議会では,「足利市立学校の設置に関する条例の改正に対する附帯決議」を行い,この決議で,「c地区については,7小学校を4校に再編成するとの当初の基本方針の下,A小学校は平成13年3月31日までに廃止すること。」,「決議の趣旨を踏まえて被告市及び被告教育委員会は最大限の努力をすること。」が求められた。 この条例改正に伴って,教育委員会は,足利市立小学校の通学区域に関する規則の改正を行ったが,A小学校の廃止を見送ったため,A小学校の通学区域のうち,10町内をB小学校あるいはC小学校と重複する形での暫定的な改正にとどまった(乙13)。 (7) その後,被告教育委員会は,平成12年2月から同年6月まで,5回にわたって,通学区域再編成に関する教育と地域のかかわりについてA小学校教育懇談会を開催した。また,同年7月には,A小学校地区全11町内を5会場に分けて,全住民を対象とするA小学校地区町内懇談会を実施した。 しかし,A小地区の未来を考える協議会は,被告市長に対して「c地区通学区再編成に対する意見書」(甲20)を提出し,同協議会は,再編成事業に反対であることを表明した。 (8) 被告教育委員会は,同年9月28日,臨時の会議を開催してA小学校地区の意見を整理し検討した結果,大綱及び基本方針の趣旨を踏まえて,通学区域再編成の意義に沿って進めていくことを改めて確認した。 そして,被告教育委員会は,同年11月16日の定例の会議において,平成13年4月1日を施行日とする「市立学校の設置に関する条例の改正について」を議案とし,A小学校を廃止することを決め,被告教育委員会の意見として被告市長に送付した。 これを受けて,被告市長は,A小学校を廃止することを改正内容とする本件条例を議案として上程し,被告市議会は,平成12年12月21日,本件条例を議決し,被告市長は,翌22日本件条例を公布し,これによりA小学校は廃止された。 本件条例の制定に伴い被告教育委員会は,足利市立小学校の通学区域に関する規則を改正して本件条例同様の施行日を定めて通学区域の変更を行った(甲3,乙12)。 (9) 本件条例改正によって,d町については,C小学校が通学区域として指定されることとなったが,被告教育委員会は,従前の児童らの友達関係や学校行事等での保護者の結びつき等を考慮し,経過措置として,B小学校を通学校として選択することができることとし,弾力的運用を行うこととした。 その後,被告教育委員会は,平成12年12月8日に,A小学校在学児童の保護者と平成13年度の新入学児童の保護者を対象に通学区域再編成説明会を開催し,欠席者には資料を自宅まで届けるなどするとともに,同月13日にはC小学校の保護者に対して,同月14日にはB小学校の保護者に対して説明会を実施してA小学校の再編の状況について説明して協力を依頼するなどした。さらに,平成13年1月12日,A小学校の地区全世帯に,「A小学校の閉校及び通学区域変更のお知らせ」を送付し,d町において,上記の通学区域の弾力的運用に関する説明会を実施した。同月17日には,A小学校通学区域の保護者らに対して再度通学区域再編成説明会を,同月18日には,d町の住民と被告教育委員会の合同懇談会を,それぞれ開催するなどした。 (10) 本件条例による通学区域の再編成によって,A小学校の従前の通学区域の児童のB小学校への通学距離は,f町2丁目からの約2.2キロメートルが最長であり,上記弾力的運用により,本来はC小学校の通学区域であるd町に居住する児童がB小学校に通学する場合の通学距離は,最長で,原告Gの児童の場合の約2.4キロメートルである(乙13)。 2 本件各処分の行政処分性等について(甲事件) (1) 地方公共団体の行う条例の制定は,通常は,一般的,抽象的な規範を定立する立法作用の性質を持つものであり,そのような条例を制定する行為は,原則として個人の具体的権利義務に直接の効果を及ぼすものではなく,抗告訴訟の対象となる処分ということはできない。もっとも,条例の形式を採っている場合であっても,外に行政庁の具体的処分を待つまでもなく当該条例そのものによってその適用を受ける特定個人の具体的な権利義務や法的地位に直接影響を及ぼすような場合には,条例の制定行為自体をもって,抗告訴訟の対象となる行政処分と解する余地もないではない。 しかるところ,本件条例は,足利市内のc地区に所在する市立小学校の統廃合の一環としてA小学校を廃止することを内容とするもので,その内容自体一般的なものであって特定の個人に向けられたものではない。また,原告らのうち児童の保護者である者らは,憲法26条,教育基本法3,4条,学校教育法29条によって,その保護する児童らに市町村が設置する学校において法定年限の普通教育を受けさせる権利ないし利益を有するものではあるが,その権利ないし利益は,市町村等が社会生活上通学可能な範囲内に設置する学校で教育を受けさせることができるという限度で認められるものであって,具体的に特定の学校で教育を受けさせることまでをも含むものと解することはできない。同原告らが,その保護する児童をA小学校に通学させ,同校で教育を受けさせることができたのは,A小学校が設置されて,一般の利用に供せられ,同校を就学校として指定されていたことによるものであって,A小学校において教育を受けさせるという利益は,事実上の既得利益にすぎず,これをもって,法的に保護された権利あるいは法的地位ということはできない。 そこで,本件条例により,原告らの児童らが社会通念上通学可能な範囲に設置する学校へ就学校指定ができなくなり,原告らの児童らに教育を受けさせる権利ないし利益を害したか否かにつき検討するに,A小学校の廃止後に新たに設置され,原告らの児童が就学校として指定を受けたB小学校は,原告らのうち最も距離が離れた者(原告G)の自宅からでも約2.4キロメートルで,同原告は,C小学校の方が距離的には近く,通常なら同校への就学校指定を受けるところ希望によりB小学校への就学校指定が認められたもので,同原告を除けば,B小学校への通学距離はおおむね約2.2キロメートルまでにとどまっており,原告らの児童らにとって社会生活上通学することができる範囲内にないとは認められない。また,原告らがるる指摘するB小学校への通学路における交通その他の危険等の支障も(甲23ないし34,36等),一般の通学路に不可避的に存在する範囲を超えるものではなく,特にB小学校特有の不備・支障があり社会生活上通学困難な事情に当たるとは認め難い。 これらの事情は,本件条例制定当時A小学校に通学しておらず,後にB小学校に就学校指定された未就学児童で,現在B小学校に通学する児童の保護者らである原告らにとっても同様に妥当するものである。 また,A小学校の就学校指定区域の住民である原告らは,憲法26条等により社会教育を受ける権利ないし利益を有するといえるにせよ,関連法規が予定している範囲内で各種公的施設ないしサービスの提供を受けることができるというにとどまり,具体的に特定の小学校でこれらの権利利益を行使することまで保障されているとはいえないのであり,本件条例は,これらの原告にとって何ら具体的権利義務や法的地位に影響を及ぼすものではない。 以上によれば,本件条例は一般的規範にほかならないから,本件条例は抗告訴訟の対象となる処分に当たらない。したがって,原告らの被告市議会に対する本件条例によるA小学校廃止の取消しを求める訴えは不適法として却下を免れない。 (2) 条例は,地方公共団体の議会の議決によって成立し,地方公共団体の長が公布することによって効力を生じるものである(地方自治法96条1項1号,同法16条2,3項)ところ,議会の議決は団体の意思決定であってそれだけでは当該条例の効力は生じないし,また,条例の公布は既に成立している条例を外部に表示する付随的な行為にすぎないから,いずれもそれ自体で国民の具体的な権利義務ないし法的地位に影響を及ぼすものではなく,抗告訴訟の対象となる処分ということはできない。 したがって,被告市議会がした本件条例の議決及び被告市長がした本件条例の公布は,いずれも独立して抗告訴訟の対象となるものではないから,この議決行為及び公布行為によるA小学校の廃止の取消しを求める訴えは,いずれも不適法な訴えとして却下を免れない。 (3) 処分の取消しの訴えは,取消判決によって当該処分の法的効果を失わしめ,処分の法的効果として生じた原告の権利利益に対する侵害状態を解消し,その権利利益の回復を図ることを目的とするものであるから,当該処分を取り消しても原告の権利利益が回復される可能性がないときには,その取消しを求める訴えはもはやその利益を欠くというべきである。 被告教育委員会がした通学校指定処分についてこれを見るに,仮にB小学校への通学校指定が取り消されたとしても,本件条例が平成13年4月1日に施行されたことによって既にA小学校は廃止されている以上,被告教育委員会としては,原告らの保護する児童らの就学校をA小学校に指定し,本件指定以前の状態を回復することは不可能であることが明らかであるから,原告らとしては,本件の指定を取り消しても,その侵害された状態を回復できる余地はないから,本件指定の取消しを求める原告らの訴えは,訴えの利益を欠くものとして却下を免れない。 (4) 以上のとおりであって,原告らによる甲事件に係る請求はいずれも訴訟要件を欠くものとして却下を免れない。 3 本件各処分による国家賠償責任の有無について(乙事件) (1) 乙事件原告らは,甲事件被告らの本件各処分によるA小学校の廃止が手続的及び実体的に違法であり,これによって精神的苦痛を受けたと主張し,甲事件被告らのうち被告市(乙事件被告)に対し,損害賠償を請求している。 しかし,まず別紙乙事件原告目録16記載の原告はA小学校の通学区域内の住民ではないから,地域住民の学習権を前提としたとしても,被告らの行為によって,同原告に乙事件原告らの主張するような損害が生ずることは認められない。また,上記第3の2(1)で説示したとおり,本件条例が,その余の乙事件原告らの有する,その保護する児童らに市町村が設置する学校において法定年限の普通教育を受けさせる権利ないし利益という具体的権利義務や法的地位に直接影響を及ぼしたとはいえないのであるから,原則として,本件条例等の実体的違法によって,被告市がこれらの原告らに対してこれらの権利ないし利益を侵害することはなく,その精神的苦痛について国家賠償責任を負うことは通常考え難いというべきである。 もっとも,例外的に,本件条例制定に関する甲事件被告らの措置によって乙事件原告らの事実上の利益を侵害し,精神的苦痛を及ぼした場合にも国家賠償法上違法の評価を受けることが全くないとはいえないので,なお念のため本件条例の違法の有無につき検討す
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●天皇制09・10 から 最新の記事は●天皇制へ 140112 昭和天皇実録、3月完成へ 「黒塗り」しない方針 [朝日] 140101 伊勢神宮参拝、昨年は1420万人 過去最多を更新 [朝日] 131206 両陛下、インドから帰国 [朝日] 131108 山本太郎氏処分 天皇の「政治利用」議論深まらず [毎日] 131101 山本太郎議員の行動、識者の見方は 園遊会で陛下に手紙 [朝日] 130904 菅氏、宮内庁長官発言を批判 「非常に違和感」 [東京] 130430 式典での「天皇陛下万歳」は「予想外」 菅官房長官 [朝日] 120513 黒田清子さんが伊勢神宮参拝…臨時祭主就任奉告 [読売] 110408 両陛下、福島・双葉町民を慰問 埼玉の避難所で2時間 [朝日] 140112 昭和天皇実録、3月完成へ 「黒塗り」しない方針 [朝日] 昭和天皇の活動や日々の言動を記した「昭和天皇実録」が3月に完成する見通しとなった。かなりの部分が黒塗りされて公開された大正天皇実録と異なり、今回は全文を公開する方針。来年度以降、出版社を決めて数年かけて公刊していくという。 皇室とっておき 「実録」は天皇の没後に様々な資料に基づいて作られる記録書。昭和天皇の逝去翌年の1990年度に編集作業が始まり、側近ら関係者への聞き取り、侍従の日誌の読み込みなどが進められた。当初は16年計画だったが、2度延長され、8年遅れての完成となる。 昭和天皇の誕生(1901年)から大喪の儀式終了(90年)までを編年体で構成。原稿はほぼ書き上げられ、3月中の完成に向け、宮内庁幹部や担当職員らが点検作業を進めている。 完成した実録は4月以降に天皇陛下に「奉呈本」として献上された後、同じ内容の「副本」が情報公開請求に応じて公開される。また、来年度に出版社を入札で決め、順次、公刊していく。分量は索引含めて20巻ほどになるという。 大正天皇実録は公開にあたって黒塗りにされた部分が多く、「歴史への冒瀆(ぼうとく)」という批判の声があったが、今回は黒塗りしないという。宮内庁の風岡典之長官は「時の経過を考慮し、30年前に出せなかったことも出せるという考え方もある」と述べ、全文を公開する方針を示した。 140101 伊勢神宮参拝、昨年は1420万人 過去最多を更新 [朝日] 三重県伊勢市の伊勢神宮は31日、2013年の参拝者が過去最多の1420万4816人と発表した。記録が残る1895(明治28)年以降最多の約883万人(2010年)を500万人以上も上回った。 神宮司庁によると、13年は内宮に約885万人、外宮に約536万人が参拝した。10年に比べて内宮で約232万人、外宮で約305万人増えた。13年は、20年ごとに社殿などを一新する式年遷宮に伴って参拝者が詰めかけた。敗戦後、過去3回あった遷宮の年の参拝者数は、1953年が約482万人、73年が約859万人、93年が約839万人で、これらと比べても突出している。 131206 両陛下、インドから帰国 [朝日] インドを訪問していた天皇、皇后両陛下は6日午前、政府専用機で羽田空港に到着した。1960年以来、53年ぶりとなった同国への公式訪問。11月30日から首都ニューデリー、南部チェンナイを訪れ、各地で歓迎された。 両陛下は予定時間を超えて市民と懇談し、車での移動中には、沿道に子供たちの姿を見つけると窓をあけて手をふった。皇后さまはインド国旗をイメージした服装で、現地の人たちの注目を集めていた。 131108 山本太郎氏処分 天皇の「政治利用」議論深まらず [毎日] 秋の園遊会で山本太郎参院議員(無所属)が天皇陛下に原発事故の現状を訴える手紙を手渡した問題は8日、山崎正昭参院議長が山本氏を厳重注意し、皇室行事の出席を禁止する処分を伝え、ひとまず決着した。与野党は前例のない山本氏の行動を「非常識な行為」と位置付けたものの、調整は「懲罰」に傾き、政治的に中立な天皇の「政治利用」に関する論議は深まらなかった。 「参院議員として自覚を持ち、院の体面を汚すことがないよう肝に銘じて行動してほしい」 山崎氏は8日昼、国会内に山本氏を呼び、こう諭した。山本氏は「猛省している」と陳謝した。これまでに山本氏は手紙を手渡した理由として、福島第1原発事故に関して「子供たちの健康被害、原発作業員の労働環境の実情を伝えたかった」と述べ、「政治利用ではない」と釈明していた。 憲法は国民主権を原則としており、4条で「天皇は国事行為のみを行い、国政に関する権能を有しない」と定めている。しかし、山本氏の行動は原発事故対応という政治課題に天皇陛下を巻き込んだともいえ、「文書を手交すること自体が政治利用ではないか」(石破茂自民党幹事長)との批判が浮上。自民党からは自発的辞職を求める強硬論も出ていた。 ただ、前例のない事態のため、政治利用に該当するかどうかまで踏み込んだ議論に至らないまま、結論までに1週間を要した。参院議院運営委員会の理事会では「憲法などに照らして懲罰には値しない」(共産党)として、厳罰処分には慎重な意見もあった。 皇室の政治利用を巡っては、これまでも議論が続いてきた。高円宮妃久子さまの9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会への出席や、天皇陛下が出席する形で4月に安倍政権が開いた「主権回復・国際社会復帰を記念する式典」は、いずれも政権の意向や要望に沿ったもので、野党側は「政治利用に当たる」と批判している。 昭和史や皇室の歴史に詳しいノンフィクション作家の保阪正康さんは「山本氏の行動は国会議員の資質に欠けるが、政治利用というのは一定勢力による行為を言い、今回は違う」と指摘。その上で「一部で処分を議論するより、皇室と政治のあり方について山本氏に所信を述べさせるなど、国会全体で議論すべきだった」と話した。【影山哲也、飼手勇介】 131101 山本太郎議員の行動、識者の見方は 園遊会で陛下に手紙 [朝日] 10月31日の園遊会で、天皇陛下に手紙を渡した山本太郎議員の行動について、明治時代に天皇に直訴した田中正造になぞらえる向きもある。元衆院議員の田中は1901年、足尾銅山(栃木県)の鉱毒に苦しむ農民を救おうと明治天皇の馬車に走り寄り、その場でとらえられた。 陛下に手紙「政治利用」か? 「田中正造における憲法と天皇」の論文がある熊本大の小松裕教授(日本近代思想史)は、(1)田中は直前に辞職し個人で直訴したが、山本氏は議員の立場を利用した(2)明治天皇には政治権力があったが、今の天皇は象徴で何かできる立場ではない、という点で「同一視できない」とみる。 山本氏には「公人の立場を考えるべきだった」と指摘しつつ、政府内の批判にも違和感があるという。天皇陛下が出席した4月の主権回復式典を踏まえ、「政府の方こそ利用しようとしており、あれこれ言う資格はない」。 一方、栃木県の市民大学「田中正造大学」の坂原辰男代表(61)には、環境や住民を顧みず開発を続けた当時の政府と、福島で大きな被害を出しながら原発再稼働を進める現政権が重なる。「善悪の判断は難しいが、正造が生きていたら同じ行動をしたと思う」 ■批判、公平でない 山口二郎・北海道大教授(政治学)の話 今の天皇、皇后のお二人は戦後民主主義、平和憲法の守り手と言っていい。しかし主張したいことは市民社会の中で言い合うべきで、天皇の権威に依拠して思いを託そうと政治的な場面に引っ張り出すのは大変危うく、山本議員の行動は軽率だ。一方で、主権回復式典の天皇出席や五輪招致への皇族派遣など、安倍政権自体が皇室を大規模に政治利用してきた中、山本氏だけをたたくのは公平ではない。山本氏も国民が選んだ国会議員であり、「不敬」だから辞めろと言うのは、民主主義の否定だ。 ■政治利用と言うには違和感 明治学院大の原武史教授(政治思想史)は、「今回の行為を政治利用と言ってしまうことには違和感がある。警備の見直しについても議論されるなど大げさになっており、戦前の感覚がまだ残っていると感じる。政治利用というならば、主権回復の日の式典に天皇陛下を出席させたり、IOC総会で皇族に話をさせたりした方がよほど大きな問題だと感じる」と話した。 原教授は自身のツイッターで、「山本太郎議員の『直訴』に対する反発の大きさを見ていると、江戸時代以来一貫する、直訴という行為そのものを極端に忌避してきたこの国の政治風土について改めて考えさせられる」ともつぶやいた。 130904 菅氏、宮内庁長官発言を批判 「非常に違和感」 [東京] 菅義偉官房長官は3日午前の記者会見で、2020年夏季五輪の開催都市を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会への高円宮妃久子さまの出席をめぐる風岡典之宮内庁長官の発言を「非常に違和感を感じる」と批判した。 風岡氏は2日、招致活動を政治的な活動とする立場から、出席を「苦渋の決断」とし「天皇、皇后両陛下も案じられていると推察した」と述べた。 会見で菅氏は、官邸から文部科学省を通じて宮内庁側に久子さまのIOC総会出席を要請したことを明らかにした上で「皇室の政治利用、官邸からの圧力であるという批判は当たらない」と強調した。 130430 式典での「天皇陛下万歳」は「予想外」 菅官房長官 [朝日] 安倍政権が28日に開いた「主権回復の日」式典で天皇、皇后両陛下に万歳三唱が起きたことに対し、菅義偉官房長官は30日午前の記者会見で「自然発生したもので、政府として論評するべきではない」と語った。 式典では、菅氏が閉式の辞を述べた直後に会場内から「天皇陛下万歳」のかけ声が起き、壇上の安倍晋三首相や麻生太郎副総理も万歳をした。菅氏は、国民主権の観点から適切かという質問に対しては、「予想もしていなかった。閉式の辞で全てが終わっていた」と述べ、問題ないとの認識を示した。 120513 黒田清子さんが伊勢神宮参拝…臨時祭主就任奉告 [読売] 天皇、皇后両陛下の長女の黒田清子さん(43)は13日、伊勢神宮(三重県伊勢市)を参拝し、臨時神宮祭主への就任を奉告した。 神宮の祭主は天皇陛下の姉の池田厚子さん(81)が務めているが、高齢であることに配慮して先月26日付で就任した。神宮司庁によると、来年の式年遷宮が終わるまで務める。 (2012年5月13日20時55分 読売新聞) 110408 両陛下、福島・双葉町民を慰問 埼玉の避難所で2時間 [朝日] 天皇、皇后両陛下は8日午後、東日本大震災の避難所として使われている埼玉県加須(かぞ)市の旧騎西高校を訪れ、福島第一原発がある福島県双葉町から避難してきた住民たちを慰問した。約2時間にわたって施設をめぐり、一人ひとりと言葉を交わした。 双葉町は3月19日に町役場の機能ごと、さいたま市に移った。その後、同31日に再移転した旧騎西高校では、町民約7千人のうち1400人余りが共同生活している。 天皇陛下は、前田明男さん(65)が地元でも評判のそば店を営んでいたと聞くと、「これからは?」と気遣った。「どうやっていいか分かりません」という答えに、「良い方向になるといいですね」と励ました。 新1年生の朝田幸花(ゆきか)ちゃん(6)はこの日、避難所近くの小学校で入学式に出席した。皇后さまは、ランドセルを背負った幸花ちゃんに「入学おめでとうございます。かわいいピンクのランドセルですね」。幸花ちゃんは「ありがとう」と笑顔で答えた。 両陛下と言葉を交わした守家文子さん(52)は「とてもうれしくありがたいです。『一から頑張っていこう』と、ここのみんながつながったと思う」。井戸川克隆・双葉町長は「1カ月が経ち、みなやるせない思いになっていた。自分もそうだが、今日訪問していただいて笑顔が多くなったように思います。今朝、子どもたちも学校に見送った。前向きな気持ちに変わりました」と話した。 両陛下の避難所訪問は3月30日の東京武道館(東京都足立区)に次いで2回目で、東京以外の施設は初めて。 両陛下は「被災した人たちや支援活動に携わる人たちを励ましたい」と強く希望しており、今後、できるだけ早く東北の被災地や避難所を慰問したい意向だという。長期にわたって復興状況を視察し、見届けたい考えも示しているといい、各地を歴訪することが想定されている。 また、宮内庁によると、秋篠宮ご夫妻も14日に新潟県内の避難所を訪問する方向だという。
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むさしの園 固定資産評価委員 市民税 朝木直子 矢野穂積 税制改正 高齢者医療 http //www11.atpages.jp/hogelab/gikai/0ab754.html 平成18年東村山市議会6月定例会 東村山市議会会議録第7号 平成18年6月5日(月)午前10時 ○議長(丸山登議員) ほかに質疑ございませんか。5番、朝木直子議員。 ○5番(朝木直子議員) 質疑時間制限に抗議をして、報告第4号について伺っていきます。 まず、審査支払手数料交付金から伺いますが、レセプトチェック結果の不正請求の具体的内訳はどうなっているのか。種別、件数、第三者行為については金額等、とりわけ、病院の医療ミスなどによる患者の治療費を請求したような例はなかったのか。 2、ジェネリック医薬品の高齢者への周知はどうなっているか。 3、超過負担の実態、過去5カ年で、どのように解消してきたか。 4、むさしの園跡地利用問題につき、東京都とどういう協議をしたか。小田井部長のときには、申し入れをしていたのではないかと思いますが、いかがでしょうか。 ○市民部長(市川守君) 1番は若干、通告とは違うような感じがするんですけれども、レセプト点検の内容につきましては、業者委託をしておりまして、 (略) ○市民部長(市川守君) 先ほど報告第4号の中で、朝木議員の御質疑をいただきました中で、超過負担分の平成16年度、1,929万3,871円と答弁させていただきましたが、数字の訂正をお願いしたいと存じます。1,522万968円に御訂正をお願いしたいと思います。よろしくお願いします。(「何年度ですか」と呼ぶ者あり)16年度です。 ○議長(丸山登議員) ほかに質疑ございませんか。6番、矢野穂積議員。 ○6番(矢野穂積議員) 先ほども指摘があったのでありますが、どうも政府与党の考え方というのは、本来、租税国家というのは、担税力のある層から賦課徴収していくというのが基本でありますけれども、この税法の改正を見ますと、低所得層から取り立てていく。すなわち、格差を拡大する社会にしていこうという、事実上、そういう意図が見て取れるわけでありますが、本件の改正、これは専決でありますけれども、まずお伺いしたいのは、3月末で4月1日からの施行であるので間に合わないということなんですが、賦課決定とか、徴収の手続との関係で言うと、本件、この報告の後、付託される条例改正案が出ていますが、どうして一括提案をできなかったのか。それで、事実上の賦課決定の手続、あるいは、徴収の手続等、具体的な支障が出るのかどうなのか、伺っておきます。 それから、2点目でありますが、税制の改正の問題点で、まず個人市民税の関係ですが、6月1日付の市報で、先ほどの提案説明よりも詳しい内容が2面に出ておりますね。これでほぼですね、大体説明が尽きるところはあるんですが、拝見しますと、取り立てる方は一生懸命書いてあるんですね、説明が。ところが、控除が新たにできるよという部分が、例えば、老齢者控除の廃止に伴う65歳以上の寡婦の控除手続等について、具体的にこういうふうにすべきだということがもう出ているわけですが、その説明が一切ない。その辺のことも含めて、ちょっとお伺いしていきますが、非課税の範囲の変更で、具体的影響がどの程度出るのかということについて、今年度、それから、次の年度、それぞれ減額の割合が違いますので、その辺も具体的に踏まえて言って下さい。 ②は公的年金の控除分の関係ですが、120万円に改正されて、その影響額、あるいは、影響を受ける高齢者の実態について、それぞれ通告してありますので、ア、イについて伺っておきます。 それから、③でありますが、先ほどちょっと指摘しましたが、48万円ということでの老齢者控除の廃止の影響は具体的にどうなるのか。非課税から課税となる人数とか課税額、それを伺っておきます。 それから、④でありますが、今の老齢者控除の廃止ということに伴って、65歳以上の1人の妻とか夫に当たる方ですが、この控除手続ができることになっておりますね。これはどのようになっているのか。市報では1行も書いてありませんので、伺っておきます。 それから、定率減税の縮小が具体的に今回出てきて、上限4万円の分と上限2万円の分とかということで、幾つか、とりあえず今年度は半額、来年度は全廃ということになりますが、これの影響と影響額を伺っておきます。 それから、同一世帯の生計を同じくする妻の均等割の全額課税の影響と影響額を伺っておきます。 それから、⑦でありますが、これも何と言いますか、市報に出ている中では、給与支払い報告書の提出対象者の範囲が拡大されますということしか書いてないんですが、30万円以上の所得があった方は、年度途中で退職しても、翌年1月31日までには報告書を出しなさいというふうなことになったんだよということが書いてありますが、住民税の申告が新たに必要となる対象については、これに限らず、申告については具体的に出しなさいという対象が出てきているはずですので、これも伺っておきます。 それから、こういう改正に合わせて、国民年金の控除の証明をつけないと、これは控除されないということになったようでありますので、これについても伺っておきます。 それから次は、固定資産税等の土地税制の関係ですが、①、②についてはいいと思いますので、③でありますが、同じ評価額の土地に対して、税負担の格差解消が目的だということで説明があったわけでありますけれども、格差の実態、それから、評価額に対して税負担の低い土地の実態がどうなっているのか。それから、負担水準が低い土地、すなわち、評価額に対して税負担の低い土地については、税額が上がるというようなことになるというような話が、先ほどから出ているわけですが、はっきりは言っていませんけどね。どういうふうにとらえているのか。それから、納税者の納得は、この点について得られるというふうにお考えなのかどうなのか、伺っておきます。 それから、これは後での条例改正の関係もありますが、来年6月から、税源移譲で課税所得200万円以下の税率が5%のが一律全部10%になっていく、大幅増税になりますね。これについてどのように考えているか。あとは条例改正のときに譲ります。 ○6番(矢野穂積議員) 今の最後の答弁があった分ですが、私がお聞きしたのは、4月1日施行であっても、賦課決定とか、徴収手続に具体的に支障が出てくるような問題点があるのかどうなのか。例えば、6月議会に一括提案した場合ですね。そういったことについて答弁がないですよ。 それから、先ほど、今回の条例改正との絡みで質疑をしたんですが、取り立てる方はちゃんと市報に載っけているけれども、控除手続について載っけなかったようなことについては、どうなっているのかなということを聞いているので、これは全く関係ないわけではないでしょう。 ○議長(丸山登議員) ほかに質疑ございませんか。6番、矢野穂積議員。 ○6番(矢野穂積議員) 商工会員だということで、商工会長をやった市長が、この件に関しては最終責任を負っているわけですが、幾つか気になっているんですけれども、訴訟を提起するというのは、ただでできないので、弁護士の費用もかかるわけですね。それで、連帯保証人も訴えるということですが、回収できるんですか。 ○市民部長(市川守君) 回収に努力していきたい、このように考えております。 ○6番(矢野穂積議員) 努力ではなくて、訴訟を提起するということは、相手に払うものがあるから訴えるというわけでしょう。そうでなければ、弁護士の費用も持ち出しになりますよ、それについてお聞きしていますが。 ○市民部長(市川守君) 現在、いろいろな調査をさせていただきまして、資産調査等も含めて、そういうので回収に努めていきたいと考えております。 ○6番(矢野穂積議員) 要するに、この連帯保証人の個人の家も押さえて回収するということですか。市はそこまでやりますか。 ○市民部長(市川守君) その点も含んで考えていきたいと思っています。 ○市長(細渕一男君) 議案第49号、東村山市固定資産評価審査委員会委員の選任について同意を求める件につきまして説明させていただきます。 (略) 履歴を添付させていただいておりますので、紹介は省略させていただきますが、御参照賜りまして、ぜひ御同意をいただきますようお願い申し上げ、提案の説明といたします。 ○議長(丸山登議員) 説明が終わりましたので、質疑に入ります。 質疑ございませんか。6番、矢野穂積議員。 ○6番(矢野穂積議員) 何点か伺っておきます。 1つは、本件の選任に同意を求める件については、履歴書が予定者については出ているわけでありますが、この履歴書の記載方法の基準について、まず伺っておきます。 まず1点は、この履歴書というのは、本人が申告というか、提出された履歴書のとおり、この議案に添付されているのかどうなのかというのが1点であります。 それから、もう1点は、この学歴の中に、括弧書きで「(通信教育)」というふうに書いていらっしゃるわけですが、こういうふうに記載しなければいけないのか、あるいは、記載するのは自由なのかという問題は、もちろんあるわけですが、これは御本人の記載をそのまま載せたのかどうか、これは先ほどの質問にも重なるわけでありますが、伺っておきます。 先ほどの収入役の選任の同意を求める議案に関しては、どうも当市、町の時代でありますけれども、予定者が町に職員として就職をされてから、大学をお出になった経過があるように思いますが、その件と比較して、どうも収入役の予定者については、普通でいえば、夜間というか、二部なのではないかと思いますが、そういったことが、そちらの議案では記載されていなくて、この評価委員については、括弧書きで「(通信教育)」というのが記載されているということについて、統一的な履歴の掲載基準というのを、先ほどのことになりますが、どのようになっているか、学歴についてお持ちなのかどうなのか、伺っておきます。 それから、この固定資産の評価委員について、具体的に2点ほどお伺いしますが、この欠格事項として、地方税法には、評価委員になることができない場合として、市との関係で言えば、請負関係にある者、あるいは、市町村長との委任を受けた者との関係で請負関係にある者は、なることができないとありますが、この事情はどうなんでしょうか。 それから、もう1点、最後でありますが、本件に関して、審査委員会で過去5年ぐらいの間で、審査申し出の件数とか、提訴に至った経過があるかどうか伺っておきます。 ○市長(細渕一男君) 基本的には、本人が、この履歴はお書きになります。今回も、そのとおりでございます。 欠格事項は、ございません。 過去に提訴になったことは、ございません。
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旧万代小跡地移転問題の概要 移転計画の発覚 この問題の始まりは2010年9月頃に中国領事館が旧万代小学校跡地に移転するとの要望があったとする報道から始まりました。 しかし、市民の間には以下のことから移転計画への疑問点があげられるようになりました。 中国領事館が設置されてから1年も経っていないこと 設置されて間もなく、領事館業務を行うのに十分なスペースがある様子が地元のテレビ報道があったにもかかわらず、移転の理由が「狭くなったから」ということ。 ※移転を余儀なくされるほど狭くなった中国領事館内部の様子 移転反対活動の活発化 そしてその後に新潟市国際課主催で行われた西大畑移転説明会にて「もう決まったことだから」という説明にもならない説明の一点張りで、新潟市民の、特に旧万代小跡地周辺の地元住民による反対活動?が活発化することになり、11月18日に移転計画は一時凍結となりました。 NST新潟総合テレビ - 中国総領事館の移転問題 篠田市長「日中関係の好転待ち売却したい」 しかし、12月21日の定例会見で新潟市長が中国領事館移転・市有地売却の姿勢を崩さなかったことから、移転反対活動が再燃することとなりました。 旧万代小跡地の売却を凍結 中国領事館の移転反対活動が活発化し、2010年11月29日に新潟市議会に旧万代小跡地売却反対請願?が提出されました。 一時は継続審議とされましたが、2011年3月11日に発生した「東日本大震災」の中で旧万代小跡地の避難所としての役割が見直され、3月22日の新潟市議会本会議で売却反対請願が賛成多数で採択されました。 これを受けて篠田昭市長は売却を断念する考えを示し、旧万代小跡地の売却が凍結されることとなりました。
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日時:平成23年1月9日(日) 時間:午後1:00~午後3:30 場所:鶴間会館 あけましておめでとうございます。 今年も「安心」「安全」な町内づくりを目指しますので、ご指導、ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます。 さて、回覧にてすでにご連絡いたしましたが、例年恒例となりました鶴間町内会新年賀詞交歓会を1月9日(日)に鶴間会館にて開催いたしました。寺田町田市長をはじめ国会、都議会、市議会議員の方々、各種団体の方々、班長・組長の方々、町内の方々にお集まりいただき盛大に催すことができました。 卯年の新年賀詞交歓会です。 木下会長の挨拶で新年会はスタートしました。 石阪町田市長はじめお世話になっていた方、お世話になっている方々にご挨拶を頂きました。ありがとうございます。(^O^)/ 各種団体長のごあいさつ。ありがとうございました。 私たちの町内を日夜守っていただいている消防団の永年勤続団員の方の表彰を、お披露目をさせていただきました。 20年表彰 団員 片桐幸男さん おめでとうございます。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 15年表彰 副部長 古谷誠さん おめでとうございます。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 10年表彰 部長 橋本紳一郎さん おめでとうございます。いつもありがとうございます。これからもよろしくお願いいたします。 来賓の方々を交えて、各種団体のみなさんとも和気あいあいと新春の賀詞交歓をいたしました。(*^_^*) 今年もよろしくお願いいたします。
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震災がれき受け入れ撤回、武雄市長「予期せぬ脅迫」 http //kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/20101002-883049/news/20111202-OYS1T00162.htm 東日本大震災で発生したがれきの処理について、受け入れをいったん見送る方針を表明した佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長は1日、読売新聞などの取材に対し、「反対意見は予想していたが市民や職員への脅迫を伴う予期せぬ声があった」と撤回の理由を語った。 樋渡市長は11月28日、がれきを、同市を含む3市4町でつくる「杵藤(きとう)地区広域市町村圏組合」のごみ処理施設で処理する構想を表明した。しかし抗議が殺到。市によると、11月29日~12月1日の3日間で市役所に約800件の電話やメールが寄せられた。9割以上が反対意見で、市長個人に対しても約500件のメールや電話があった。「引き受けたら、その苦しみを職員に与える」「市内のイベントを妨害する」「地元産品の不買運動を呼び掛ける」といった内容もあったという。 (2011年12月2日 読売新聞) 震災がれき受け入れ、武雄市長が撤回 http //kyushu.yomiuri.co.jp/news-spe/20101002-883049/news/20111201-OYS1T00740.htm 東日本大震災で発生したがれきの処理の受け入れについて、佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長は1日、市議会で、同市を含む3市4町で運営する「杵藤(きとう)地区広域市町村圏組合」の首長会議への提案をいったん見送る考えを明らかにした。 市長は「市役所に脅迫を伴う反対の意見が寄せられた。万が一のことがあっては取り返しがつかないので、提案を見合わせることにした。受け入れの信念は変わらない」と述べた。 議会後、市長は「自治体が受け入れる環境を国が整備した時、(組合に)提案したい」と語った。 組合の管理者を務める樋渡市長は6日に首長会議を開き、がれきを海上輸送して組合運営の武雄市内のごみ処理施設で処理する構想について、理解を求める意向を示していた。 市によると、市長の受け入れ方針が報道された後、11月29、30日の2日間で市役所に約600件の電話やメールが寄せられ、このうち9割以上が反対意見だった。市長個人に対しても、メールや電話が約400件あったという。 (2011年12月1日 読売新聞) 震災がれき処理、武雄市長が受け入れ意向 http //kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20111129-OYS1T00200.htm?from=popin 東日本大震災で発生したがれきの処理について、佐賀県武雄市の樋渡啓祐市長は28日、同市を含む3市4町で運営する「杵藤(きとう)地区広域市町村圏組合」での受け入れを組合の首長会議に諮る意向を明らかにした。会議は12月6日に開かれ、市長によると、受け入れが決まれば、九州で初めてになるという。 樋渡市長は組合の管理者を務めている。構想によると、がれきは被災地から船で輸送し、武雄市内のごみ処理施設で処理する。東京電力福島第一原子力発電所の事故による放射能汚染への不安を取り除くため、組合独自の放射線量基準を策定。船に積む前と、船から降ろす際の計2回、放射線量を測定し、基準を下回ったがれきを受け入れるという。開始時期や量は未定。 樋渡市長は「被災地支援のためにできる限りのことをする。二重のチェックで放射線の問題はない。全首長の理解を得たい」と話している。 (2011年11月29日 読売新聞)
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関電に「脱原発」要請 尼崎、宝塚、篠山の3市長 東京電力福島第1原子力発電所の事故を受け、尼崎、宝塚、篠山市の3市長が30日、 関西電力神戸支店(神戸市中央区)を訪問し、「脱原発」に段階的に取り組むよう要請した。 関電が要請した15%の節電期間が7月1日から始まるが、 会見した市長らは「関電は節電をお願いするばかりで、将来に向けた姿勢がまったく見えない」と批判した。 要請文は尼崎市の稲村和美市長、宝塚市の中川智子市長、篠山市の酒井隆明市長の連名で関電の八木誠社長に宛てた。 原発に依存した電力供給からの脱却のほか、再生可能エネルギーの開発、中小企業に対し過度の電力制限をしないよう配慮を求めている。 関電神戸支店での会見で、中川市長は「福島の事故以来、市民の不安は高まっている。 住民の命を守る市長として、自然エネルギーへの転換を要請した」と語った。 稲村市長は「産業界に与えた打撃も大きく、管理不能なリスクをいつまで抱え続けるのか」と訴えた。 要請文は中川、稲村両市長が作成し、6月27日から阪神、丹波地区の9市1町の首長に参加を呼び掛けた。 神戸新聞 (2011/06/30 21 07) http //www.kobe-np.co.jp/news/shakai/0004226321.shtml
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宮崎日日新聞 激震口蹄疫へ飛ぶ(魚拓) 日向市議会は28日、臨時議会を開会。本年度一般会計補正予算など専決処分15件を承認、国民健康保険税条例の一部を改正する条例案など4議案を可決して閉会した。 同会計補正予算の専決処分は、口蹄疫の自主消毒ポイント設置など防疫にかかわる費用など3751万円。 また、同会計には同市幸脇小の土地問題に絡み、所有権移転の登記手続きを請求する民事裁判費用80万円を計上。専決処分と補正を合わせて、一般会計総額は265億1831万円となった。 (2010年5月29日付) 5月 補償 防疫関係
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2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣に反対組織--5日設立、市内50団体参加/熊本【毎日】 2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣市が現地見学会実施へ--計10回【毎日】 2006/6/3 水俣市:「環境にこだわった町に」議会で市長が表明補正予算案など上程/熊本【毎日】 2006/6/6 産廃処分場建設阻止へ官民で市民会議設立 水俣市【熊日】 2006/6/6 官民一体で産廃反対水俣市が連帯組織を設立25日に市民総決起大会=熊本【読売】 2006/6/6 産廃阻止!水俣市民会議発足【朝日】 2006/06/26 水俣の産廃処分場問題:建設反対、1200人が阻止訴え--決起大会 /熊本【毎日】 2006/06/26 産廃阻止!水俣市民総決起大会【朝日】 2006/06/27 産廃処分場 事業者に計画撤回要請 水俣市民会議 2006/06/27 宮本氏人類・世界共有の財産 宮北氏ごみ処分安易にせず【西日本】 2006/06/28 水俣の産廃処分場問題:「産廃白紙撤回を」--市長ら上京、業者に要請 /熊本【毎日】 2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣に反対組織--5日設立、市内50団体参加/熊本【毎日】 水俣市内の約50団体が参加して5日、「産廃最終処分場建設阻止!水俣市民総協議会(仮称)」が設立される。同市長崎でIWD東亜熊本が計画している産廃処分場の建設を阻止するのが目的。既存の反対グループに加え、自治会など各種団体に市が参加を呼びかけた。 計画地が市の水源地にあることや、水俣病の教訓を生かしたまちづくりに逆行していること、水俣病受難の地に産廃処分場を作るのはあまりにも理不尽で残酷--というのが理由。事務局を市産廃対策室に置く。会長に就任予定の宮本勝彬市長は「市民運動のうねりを広げ、建設反対の市民の意志をより確かなものにしたい」と話している。 25日午前10時からは、同市文化会館で建設阻止への機運を盛り上げるため「市民総決起集会」を開く。市と「産廃最終処分場建設阻止!水俣市民総協議会(仮称)」が共催する予定。【平野美紀】 2006/6/1 水俣の産廃処分場問題:水俣市が現地見学会実施へ--計10回【毎日】 水俣市は、同市長崎に計画されている民間業者の産廃最終処分場予定地周辺の現地見学会を、6~10月の日曜に計10回実施する。 対象は市民に限定。実施日の午前9時半、市役所に集合。公用車で移動し、計画予定地近くの大森地区の住民から説明を聞いた後、周辺一帯の状況を見て回る。 希望者は実施2日前の金曜までに電話で申し込む。毎回先着20人で、無料。見学会実施日は11、18日▽7月9、23日▽8月6、20日▽9月10、23日▽10月1、15日の午前9時半~正午。問い合わせ・申し込みは市産廃対策室0966・61・1619へ。 2006/6/3 水俣市:「環境にこだわった町に」議会で市長が表明補正予算案など上程/熊本【毎日】 水俣市の6月定例市議会が2日開会し、06年度一般会計補正予算案(補正額約10億3300万円)など31議案が上程された。市長選直後となった3月議会に提案されたのは骨格予算だったため、今回の補正予算案が、宮本勝彬市長の就任後、初の本格的な予算となる。 本会議で宮本市長は「(市内に計画されている)産廃処分場阻止は私に課せられた命題。二度と水俣病のような公害を起こさないため警鐘を鳴らし続け、市政の基本方針として、環境にこだわったまちづくりを進める」と所信を表明。重点施策としてはこのほか、水俣病問題の解決や元気な水俣づくり、人づくりなどを掲げた。 また市議会は、4月下旬に発表した議長の「水俣病問題の全面解決と地域の再生・振興を求める声明」と同内容の意見書を採択した。意見書は「認定基準を一本化し、早急に認定審査会が再開できる条件を整備すること」など5項目からなり、近隣8市町の議会にも、同様の意見書を採択してくれるよう呼びかける。【平野美紀】 2006/6/6 産廃処分場建設阻止へ官民で市民会議設立 水俣市【熊日】 水俣市長崎に民間事業者が計画する産業廃棄物最終処分場の建設阻止を目的とした連帯組織「産廃阻止!水俣市民会議」の設立総会が五日、市役所共済会館であった。会長に宮本勝彬市長を決め、事務所は市産業廃棄物対策室に置く。 市民会議は、建設阻止運動を全市的に拡大するために水俣市が結成を呼び掛け、産廃反対の市民団体や水俣病患者団体、自治会など五十二団体が加入。総会には約五十人が出席した。 会長に就いた宮本勝彬市長が「市役所の力だけで阻止できる簡単な問題ではない。市民が一丸となって取り組むことが不可欠」と協力を要請。二〇〇六年度事業計画として(1)市民総決起大会の開催(2)事業者に対する撤退要請行動(3)事業者から県への提出が予想される環境影響評価準備書に対する住民意見書の集約―などを決めた。 市民総決起大会は、市と市民会議の主催。二十五日午前十時から牧ノ内の市文化会館で開き、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が特別講演するほか、市民の決意表明、決議文採択などを予定。終了後は参加者が市内中心部を行進し、計画阻止を訴えるという。(並松昭光) 2006/6/6 官民一体で産廃反対水俣市が連帯組織を設立25日に市民総決起大会=熊本【読売】 ◆設立総会 水俣市の山林で民間業者「IWD東亜熊本」(本社・水俣市)が進めている産廃最終処分場建設計画に関し、市は5日、反対運動の連帯組織「産廃阻止!水俣市民会議」を設立した。既存の反対派など52団体が参加、市産業廃棄物対策室に事務所を置き、官民一体で反対運動を展開する。25日に市民総決起大会を開く。 設立総会には「水俣の命と水を守る市民の会」などの代表ら約50人が参加。会長に就任した宮本勝彬市長は「水俣病を経験した水俣は特別な地域。計画反対は地域エゴではない」と強調、市を先頭に問題解決に取り組む考えを示した。 計画によると、市南部の山林約95・2ヘクタール中、約9・5ヘクタールの敷地に燃え殻や汚泥などを埋める管理型を設置。7月にも環境アセスメント(影響評価)の準備書が県に提出される見通しで、市民会議は、これに対する住民意見書の集約を目指す。 総決起大会は25日午前10時から、市文化会館で開催。市が4月に加入した全国産廃問題市町村連絡会の会長で、岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長の講演などがある。また、決議文を採択し、同社へ提出。市内パレードも計画している。 このほか、26、27日には潮谷知事や同社関連の「IWD」(本社・神奈川県海老名市)の東京支社などに中止要請を行う。11日からは毎月2回、現地見学会も実施する。問い合わせは同対策室(0966・61・1619)へ。 写真=宮本市長(左)のあいさつを聞く反対派市民ら 2006/6/6 産廃阻止!水俣市民会議発足【朝日】 水俣市の山間部で民間業者が計画する産業廃棄物最終処分場に対し、官民一体で反対する「産廃阻止!水俣市民会議」が5日発足した。市内での設立総会には、市や市議会のほか、約50の民間団体から50人が参加し、処分場建設阻止に向け、協力することを確認した。 会則を決めた後、会長に宮本勝彬市長、理事に各団体の16人を選んだ。事務局は、市産業廃棄物対策室内に置く。 会則で、同会議は「水俣病の経験に基づき、市民の命と健康を守るため、処分場の建設に反対し、止めさせるための活動を行う」としている。 今年度事業として、処分場阻止のための市民総決起大会を25日に市文化会館で開くことを決めた。処分場の反対運動で知られる岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長の講演、阻止に向けた市民の決意表明、大会決議の採択もある。決議文は産廃業者のIWD東亜熊本や、県、国に提出する。 宮本市長は「阻止には、市民が一丸となって取り込むことが不可欠」と協力を呼びかけた。 2006/06/26 水俣の産廃処分場問題:建設反対、1200人が阻止訴え--決起大会 /熊本【毎日】 ◇宮本市長「強力に取り組む」 水俣市長崎地区に計画されている産廃処分場の建設に反対する「産廃阻止!水俣市民総決起大会」が25日、同市牧ノ内の市文化会館であった。約1200人が参加、建設阻止を訴えた。【平野美紀】 市や自治会など52団体で作る「産廃阻止!水俣市民会議」(会長、宮本勝彬市長)の主催。宮本市長が「今日を第一歩に必ず阻止できるという強い意志で強力に取り組もう」とあいさつした後、市産業廃棄物対策室がスライドを使って、産廃処分場の概要や進み具合を説明した。 町内の産廃計画に反対したため暴漢に襲われ重傷を負った経験を持つ岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が「なぜ、あの水俣で……御嵩産廃問題から考える」と題して講演。柳川町長は「水俣病で苦しんだ地に産廃処分場を計画するのは、被爆地・広島に核の廃棄物を埋めるような極めて愚かなこと。感情で反対するのではなく、法律などの知識を身につけ、闘ってほしい」とエールを送った。 続いて、胎児性水俣病患者5人が「計画は水俣病患者、とりわけ胎児性患者の存在を全否定することと同じ。私たちが経験したつらさを未来に背負わせないために、水俣湾埋め立て地に続く二つ目の産廃最終処分場建設計画を絶対に阻止します」と決意表明。この後、「事業者が計画を断念し撤退する日まで闘いぬく」とする決議文を採択した。大会後、参加者は同会館からJR水俣駅前まで約1・5キロを、横断幕やノボリを持ってデモ行進した。 2006/06/26 産廃阻止!水俣市民総決起大会【朝日】 水俣市の山間部に業者が計画している産業廃棄物最終処分場建設に反対する「産廃阻止!水俣市民総決起大会」が25日、同市牧ノ内の市文化会館であった。市民約1200人が参加し、業者が計画を断念するまで一丸となって闘い抜くことを誓った。 市や市内の約50団体が5日に結成した「産廃阻止!水俣市民会議」が主催した。あいさつに立った市民会議会長の宮本勝彬市長は「産廃阻止に向けて大きなうねりをつくるために結成した市民会議の大きな第一歩」と大会の意義を強調した。 市産業廃棄物対策室が処分場計画の現状と問題点を報告した後、産廃処分場計画を阻止した岐阜県御嵩町の柳川喜郎町長が講演した。 柳川町長はNHK解説委員のとき、世界の環境問題を取材した経験から、水俣病を経験した水俣は世界遺産に値すると評価し、「その水俣に処分場計画などとても解せない」と述べた。「御嵩町より水俣の反対運動の方が盛り上がっている。大勢は決したと思うが、さらに粘り強い運動を」と訴えた。 最後に「市、市議会、市民が一致団結し力を結集して、事業者が建設計画を断念するまで闘い抜く」などとした決議を満場一致で採択。文化会館から肥薩おれんじ鉄道水俣駅までの約1・7キロをデモ行進した。 2006/06/27 産廃処分場 事業者に計画撤回要請 水俣市民会議 産業廃棄物最終処分場の建設を計画するIWD東亜熊本の小林景子社長(左)に計画の白紙撤回を求める宮本勝彬・水俣市長ら=東京・六本木 水俣市や市民団体などでつくる「産廃阻止! 水俣市民会議」の代表らが二十七日、同市に産業廃棄物の管理型最終処分場建設を計画する「IDW東亜熊本」の小林景子社長と、同社の親会社「東亜道路工業」の柴田親宏社長と会い、計画の白紙撤回を要請した。 同市民会議会長の宮本勝彬市長、副会長の緒方誠也市議会議長ら四人が、東京・六本木に両社長を訪ねた。二十五日の市民総決起大会で採択した計画反対の決議文とともに、「水俣市民は、もう二度と産業廃棄物による被害を被りたくないとの思いを強くしている」と計画撤回を求める要請書を手渡した。 これに対し、小林社長らは「処分場は公害を発生させる施設ではない。水を汚すことは絶対にないし、公害を起こしたらわが社の存立はないと思っている」と安全性を強調。「被害が起きてからでは遅い」などと訴える市民会議側の主張とかみ合わず、話し合いは平行線をたどった。 宮本市長らは、環境省や県関係国会議員らも訪ね、建設計画阻止に向けて協力を求めた。(亀井宏二) 2006/06/27 宮本氏人類・世界共有の財産 宮北氏ごみ処分安易にせず【西日本】 ■水俣病公式確認50年 地元で意見交換■ 水俣病の公式確認から50年たち、被害地域再生へのキーワードは何か。17日に熊本県水俣市で開かれた西日本新聞社の「地域と語ろう隊」では、それぞれの立場で地域づくりに挑む人々と、水俣病報道に携わった記者らが意見を交わした。「日本で最も過酷な運命を背負わされた」(出席者の1人)地域は今、環境モデル都市を目指す取り組みが続く一方、なお多くの被害者が救済を求めている。「水俣病の教訓を世界へ」「命を守る取り組みを」―。出席者たちは「これからの50年」を見据えて語り合った。 (文中敬称略) ▼認 定 本社側 水俣市や、水俣病を取り巻く現状をどう考えるか。 永野 水俣病や産業廃棄物処分場など、市民がこの町の問題を自分の問題として考え、語り始めていると実感する。 永本 水俣病はいまだに終わっていない。子どもにちゃんと伝えないと、50年、100年たっても変わらない。 小柳 与党のプロジェクトチーム(PT)で「第二の政治決着」が検討されている。それができればいかにも全面的な解決のようにされているが、大きな勘違いだ。政府から本当の謝罪が今もない。患者は救われないし、われわれ事業者もいろんなことを始めようとしているときに障害になる。 宮北 関西訴訟最高裁の判決を受けて、約4000人が新たに認定申請をした。その時期に民間の産廃業者が水俣市で処分場建設を計画し、市が市民団体の「環境首都コンテスト」で二年連続総合日本一になった。そのあたりを一緒に考えていく必要がある。公式確認から50年はまさに中間地点。水俣病とは何だったのか、もう一度市民が問われているし、私たちも問われている。 宮本 先日、沖縄の中学生から「水俣病という病名を変更してはどうか」と手紙をもらった。私は「水俣病という名前は水俣にとって財産なんですよ」とお答えした。水俣市は水俣病を抜きにしては語れない。水俣病の解決には被害者への補償と心のケア、そして世界への警鐘の3つがそろわないといけないと考えている。 本社側 本紙の市民意識調査では認定基準の見直しについて、市民の意見が分かれている。 小柳 水俣病問題では、政府は本質的な問題を先送りして、小手先のことに一生懸命になっているようにみえる。日本の戦後処理問題も同じ。水俣病を解決できないと、韓国や中国との問題も解決できない。どこかで誰かが勇気を持って流れを変えなければ。日本の今からの行き方に、水俣病の問題が解決できるかどうかがかかっている。 宮北 最高裁で否定された認定基準が生きていることがおかしい。ある時期、水銀に汚染された魚を同じように食べていた人たちはすべて被害者だ。 宮本 患者団体やその代表にはそれぞれ歴史があり、思いがある。もっといろんな人が集まって、本音で「自分はこう考える」と思いをぶつけ合える場があればいい。 本社側 報道する側にも共通するものがある。ジャーナリズムが本音を回避している部分があり、そこを突破しないといけない。 小柳 水俣には今、いい意味での「おやじ」がいない。さまざまな主張を受け止めて「あとはオレにまかせろ。悪いようにはせんけん」というような…。 永野 水俣病は補償に結び付いたゆがんだ病像がある。誰が「患者」なのかを問題にするのではなく、水俣病を未来への財産とするためにも、市民同士が本音で話し合う。そうすることで患者に対する誤解と偏見を解消できる。 宮本 (教師時代には)教室にチッソ関係者の子も被害者側の子もいて、水俣病については気を使いながら授業をしていた。当時は水俣病のつらい部分、苦しい部分が表に出ていたが、今はつらい思いを土台にして新しいものを作り出そうとしている。子どもたちは、よそより一歩進んだ環境の取り組みを学び、古里に自信を持ってきているし、水俣を愛する心にもつながっている。 ▼産 廃 本社側 水俣市は産廃処分場の建設計画が浮上し、市民の反対運動が起きた。水俣病を教訓に環境モデル都市をどうつくっていくべきか。 宮本 「ごみを受け入れないのはエゴではないか」と業者から指摘されたことがある。しかし、私は水俣は特別な町だと思っている。水俣は世界共有、人類共有の財産だ。しっかりと理論武装して闘わんと厳しいと感じた。 永本 私も(処分場建設には)絶対に反対だ。よそのごみを水俣に運ぶことは絶対にやめてほしい。(水俣の人たちは)せっかく水俣病を経験したんだから、ごみはいらないし、患者は僕たちだけでいい。 宮北 安易にごみを燃やしたり、埋めたりしない社会をつくり上げ、全国に発信することだ。(産廃処分場計画は)そもそもあの地域に開発行為を加えること自体を問題にしなければならない。水俣病は自然との付き合い方を誤った悲劇だからだ。 小柳 ただ、産廃問題では公に賛成・反対を言わないまでも“隠れ賛成”の人はたくさんいる。産業がどんどん衰退していく中で「産廃が来なくて水俣はどうやって生きていくの?」と問われたときの答えを持っていなくては。 海、山、川と自然に恵まれ、人口3万人弱が暮らす水俣市。その風景を、アマチュアカメラマンの山本達雄さん(56)=同市平町=の写真で紹介する。水俣病を教訓にした環境モデル都市の取り組み、海岸線の桜、荘厳な滝など、見どころはたくさんある。 2006/06/28 水俣の産廃処分場問題:「産廃白紙撤回を」--市長ら上京、業者に要請 /熊本【毎日】 水俣市長崎地区にIWD東亜熊本(水俣市、小林景子社長)が計画している産廃最終処分場問題で27日、「産廃阻止!水俣市民会議」(会長・宮本勝彬市長)のメンバーら6人が、東京都内にある同社の親会社などを訪れ、白紙撤回を求めた。25日の「産廃阻止!水俣市民総決起大会」での決議文採択を受けて上京した。 親会社を訪ねたのは、宮本市長のほか緒方誠也副会長、坂本ミサ子、坂本龍虹両理事ら5人。宮本市長は、IWD(神奈川県海老名市、杉山孝社長)東京支社で小林景子社長に要請書を渡し「水俣病の経験を経て環境モデル都市を目指す市に計画はそぐわず、危険性もある。白紙撤回を」と求めた。 小林社長は「高い技術と安全性で世界に誇れる施設を造りたい」と改めて白紙撤回を拒否した。環境影響評価の準備書を今夏提出するという。また、東亜道路工業(東京都)の柴田親宏社長は「環境モデル都市を目指す水俣市のためになると思い、計画を決めた。市民が水俣病で苦しんだことは理解しているが、水俣病と処分場は別問題」と答えた。 一行は環境省の谷津龍太郎・政策評価広報課長にも小池百合子環境相あて要望書を渡し、県選出国会議員にも陳情。宮本市長は「業者とは、そもそもの出発点が違い議論がかみ合わないが、今後も撤回を求めていく」と話した。【平野美紀】 名前 コメント